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今週のDNA!!
2005年1月16日(日) テーマは『狭心症』
(今週のテーマは2002年12月8日に放送したものです。)
今回放送分のドクターQ&Aは、こちら

今週のドクター今週のドクターは、
慶應義塾大学医学部
吉川 勉先生



【略歴】

’81年

慶應義塾大学医学部卒

’94年 niversity of Colorado Health Sciences Center 研究留学
’01年 慶應義塾大学医学部助教授

【ドクターの一言】
専門領域にとらわれず、広い視野に立った全人的医療を提供すること。既に確立された治療を画一的に行うのではなく、臨床と基礎の接点に立って常に新たな道を模索すること。



データある日突然胸が激しく痛む!もしそんな体験があるなら、その原因は心臓かも?キリキリした痛みが走る訳でもなく、ズキズキと痛むのでもない。押さえ付けられるような痛み、重苦しい痛みを感じたとしたらそれは狭心症の可能性あり!狭心症と心筋梗塞を総称するのが虚血性心疾患。この虚血性心疾患は現在、悪性腫瘍に次いで日本人の死亡原因第2位となっています。また同時に虚血性心疾患は心臓の病気全体の50%を占めているのです。胸が急に締め付けられる、グーッと何かに押されるように痛い。胸が重くなる。息が出来ない。そんな症状が狭心症の特徴です。初期には意外な処にも痛みの出る場合もあるので注意しましょう。例えば左肩の痛みや重苦しさ。喉や顎、歯の痛みの形で現れる狭心症もあります。狭心症の痛み体の広い範囲に現れます。しかし、大抵は数分で治まってしまうため、軽い病気と間違えやすい、厄介な特徴もあります。何故心臓が痛むのでしょう?人間は酸素や栄養分などのエネルギーを血液で体に届けています。その血液を体中に送り出すポンプ、それが心臓。データそして人間の体には、体内を網目のように駆け巡る血管のほかに心臓を動かすため、心臓にエネルギーを送る特別な血管があります。それが冠動脈。冠動脈は枝分かれして心臓のあちこちに入り込んでいます。そして酸素や栄養分心臓だけに送っているのです。もし、冠動脈に異常が起きて、酸素や栄養分が十分に心臓に送られないと、痛みという発作が起きてしまうのです。発作は冠動脈一般の血管の違いから起きます。一般の血管は網目状のバイパスを作りながら内蔵と接しています。そのため、データ一部の血管が詰まっても他の部分がカバー。内蔵に向かう血液の流れは妨げられません。一方、冠動脈枝分かれして心臓に接しています。そのため、一部の血管が詰まると、そこから先には血液が流れなくなってしまいます。冠動脈の方が単純で壊れ易い訳ですが、血液が流れなくなるのには、2つのパターンがあります。
【労作狭心症】 冠動脈は様々な原因によって動脈硬化を起こしている事があります。すると血管の壁が厚くなり、血液の流れる空間は狭められます。この状態で急に運動したり、緊張したりすると血圧が上り、脈拍も増えます。心臓の動きも活発になり、酸素や栄養分を含んだ血液を大量に必要とします。しかし、血管が狭まっているため血液は不足。心臓は血液を吸い込もうともがき、発作を起こします。坂道や階段を上る、何かに緊張する、重いものを急に持ち上げるなど、急激な動作や運動で発作の起きる狭心症です。
【安静狭心症】 安静にしていても起きるタイプ。自律神経が関わっています。自律神経には元々、心臓の動きを活発にする交換神経と、心臓の動きを抑える副交感神経があります。何らかの原因で、この2つのバランスが乱れると、冠動脈が痙攣を起こして、血液の流れが悪化。狭心症に繋がるのです。このタイプは夜中や明け方など睡眠中に発作がおき易いのです。
狭心症は2つのタイプに分れ、血液の流れが悪くなる原因も、血管の狭まり血管の痙攣、2つに分かれています。狭心症には心筋梗塞に繋がる危険も‥!データ心筋梗塞とは心臓に血液が全く流れ込まなくなる病気です。狭心症でも血液の流れは悪くなりますが、あくまでも一時的なもの。ところが心筋梗塞では、冠動脈に血液の塊が詰まり、血液の流れが長時間ストップします。するとそこから先の組織が酸素や栄養分の欠如で死に、命に関わる心筋壊死から、心筋梗塞を起こします。全ての狭心症が筋梗塞に繋がりはしませんが、血管の衰えによる危険性は否めません。狭心症と心筋梗塞。厄介な因果関係もあるだけに、狭心症の発作には一層注意を払う必要があるのです。
狭心症のメカニズム
労作狭心症
安静狭心症
冠動脈が狭くなって起こる
冠動脈が痙攣して起こる
EXAMINATION 検査
狭心症の検査
心電図検査
  トレッドミル法
ホルター心電図検査
心臓エコー検査
心筋シンチグラフィ

データ
 
データ
【心電図検査】
 
【エコー検査】
データ   データ
【心筋シンチグラフィ】
 
【心筋シンチグラフィの結果】
1回の鼓動には4つの波形(心電図検査)
P波
QRS波
T波・S波
ST部分
心房の筋肉の収縮
心室が血液を吸い込む際の筋肉の収縮 心室の筋肉がゆるみ血液が送り出される時のもの QRS波とT波の間。健康ならば波形の始まりと終わりが一直線上に
MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬
狭心症の治療
薬による治療
  ニトログリセリン
ベータ遮断薬
心臓バイパス手術
冠動脈カテーテル治療
【ニトログリセリン】
抹消の静脈を広げ血液を蓄えさせる働きがあります。心臓へ向かう血液を減らし、心臓の運動量を抑えます。
【ベータ遮断薬】
交換神経の興奮を受け、心臓の働きを活発にするベータ受容体の。その働きを抑制して心臓の負担を減らします。
【心臓バイパス手術】
冠動脈の心筋梗塞が進み、心筋梗塞につながるおそれがあるとき行います。
FRONTIER 最先端技術
データ冠動脈に血液が流れていれば、狭心症の発作は起きません。そこで、狭まった血管に代り、血管の元になる患者自身の細胞を心臓に移植、健康な冠動脈を新たに生み出す、という研究が進んでいます。今年7月、九州大学の研究チームでは、特に血管になる可能性が高いとされている「CD34+」という細胞に注目しました。「CD34+」は元々骨髄の中の白血球にあり、血液や血管へと育って行く細胞です。しかし、骨髄から取り出すたためには全身麻酔を行うなど、患者の負担が大きいのがこれまで難点でした。九州大学では「G−CSF」という薬を使い、「CD34+」を含む白血球を、患者の一般的な血液の中で増やす事に成功しました。次に体の外に循環装置を設置。患者の血液を一度その機械に通して白血球をろ過。「CD34+」だけを取り出して集めます。そして「CD34+」を心臓に注射。こうして冠動脈が新しい血管を生み出すのを助け、血液の流れを回復しようという訳です。これまで高齢者貧血症の人など、体力の不足している患者へは、細胞移植は負担が大きすぎて無理でした。しかし、今回の研究でそれらの患者さんへの治療も可能になりそうです。
SELF MEDICATION 自己管理
狭心症の発作というと、真冬に多い印象がありますが、実際には12月、2月など、暑さと寒さが交互に現れる時期が、危険とされています。その他、暖かい部屋から急に寒い戸外へ出た時、寒い時期、急に暑い風呂に入った時なども発作を起こす危険大。そう、温度差の急激な変化が、狭心症には大敵なのです。

データ





データデータ
【温度差をへらす】
風呂に入る前は、お湯のシャワーで浴室全体をジックリと温めておきましょう。なんとこれだけで、浴槽に入る時、確実に10度近く、温度差を縮める事が出来ます!寒いトイレも、暖房で温かくする工夫をしておきましょう。
【正しい脈の計り方】
心臓の状態把握しておく最も身近な方法もあります。 それはをキチンと計る事。それも、単に数を数えるだけでダメ。拍動の乱れ強弱の具合まで、自分で分かっておく事が大切です。 手首なら内側。親指に沿ったラインで血管を抑えて計ります。勿論、脈拍の打ち方をチェックするの忘れないよう心掛けましょう。手首でうまく計れない方は、頸動脈で計ってみましょう。脈の状態を把握する事は、確かに、心臓の病気に関するセルフケアの第一歩。

自分の脈の状態医師に告げられる事は、数多くの病気予防にも繋がります。脈は健康管理の第一歩でもあるのです。


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