今週のドクターは、 東京医科大学 口腔外科 金子 忠良先生
【略歴】
東京医科大学大学院終了
【ドクターの一言】 口(口腔)は体の鏡といわれるように全身の状態を反映しやすく逆に口腔も全身の一器官である為全身状態を考慮した治療を心がけています。治療の信条「患者様のニーズに応じた最善な治療を施す」 【著書】
虫歯の治療は痛いから嫌だ、そう思っている人多いですよね?今、その痛みを感じさせない新しい治療法が開発されています。それが、「無痛治療」です。実際に治療を行っているのが、松本教授です。従来のドリルを使った治療は虫歯だけでなく、健康な部分も削り取ってしまいます。しかし、カリソルブという薬を使った治療は痛みもなく、虫歯のみを取り除きます。これがその薬です。治療前にこの2種類の薬を混ぜ合わせます。混ぜ合わせた薬を、専用の器具で虫歯に塗るのです。すると、虫歯の部分だけが溶けてしまうため痛みを感じずに治療も簡単というメリットがあります。まず、カリソルブを虫歯に垂らしたら、およそ30秒間、歯に浸透させます。そもそも虫歯は、健康な歯の象牙質が虫歯菌の出す酸によって溶かされたものです。虫歯には、コラーゲンというタンパク質が含まれています。カリソルブは、そのコラーゲンを溶かす働きがあるのです。虫歯が薬で溶けたら、後は専用の器具で残った虫歯を除去し、穴の開いたところを埋めれば治療は終わりです。虫歯が取り除かれた後にできた穴にはレジンをつめます。そして特殊な可視光線を当て成形し、虫歯の穴がきれいに埋まります。すると治療後は御覧のように全く虫歯を治療したとは思えない完璧な歯として蘇るのです。こうした新たな治療法の開発によって、虫歯の治療は痛いという常識が少しずつ変わっていくかもしれません。