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2004年10月24日(日) テーマは『結膜炎』
(今週のテーマは2004年2月29日に放送したものです。)
今回放送分のドクターQ&Aは、こちら


今週のドクター今週のドクターは、
プラザ30階クリニック

橋 義徳先生



【略歴】

    島根医科大学卒業後東京女子医科大学眼科へ入局
同講師を経て
’96年  

新宿プラザ30階クリニック、
立川市・立飛ビルクリニックで診察
ぶどう膜炎、白内障、緑内障の診断・治療に詳しい

【ドクターの一言】
子供からお年寄りまでに愛される眼科診療を心掛けています。レーザー治療、白内障日帰り手術、緑内障検査、造影検査、小児斜視・弱視などの最新の設備をして、あらゆる眼科疾患に対応しています。

新しい本が出ました 「緑内障 失明の恐怖」 徳間書店より

【著書】
「眼科症候群辞典」 メディカル葵出版社
「臨床眼科学大系」 医学書院
「眼科アップトゥデイト」 診断と治療社
「新図説臨床眼科講座 7巻」 メジカルビュー社

 


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム
病気の症状とメカニズムこのところ、なんだか目がゴロゴロする・・・鏡を見たら…真っ赤!そう言えば、目ヤニもたくさん出ているし…。「結膜炎」という名前の目の病気。「あかんべー」黒目のふちからまぶたの裏側を覆っている透明な膜が結膜です。白目の表面を覆っているのが病気の症状とメカニズム眼球結膜(がんきゅうけつまく)。上下のまぶたの裏にあるのが眼瞼結膜(がんけんけつまく)。このふたつはつながっていて、コンタクトレンズが目の裏に入る! なーんていうことのないように袋のような構造になっているのです。だから、コンタクトレンズやホコリなど、異物が眼の奥へ侵入することはありません。「目を保護する」! これが、結膜の大きな働きのひとつです。そのため、結膜の下には血管やリンパ管がたくさん集まっています。その中に流れている血液やリンパ液には「白血球」や「リンパ球」がたくさんいるのです。目の中にとびこんでくる細菌やウイルスを攻撃し、排除しようとします。細菌やウイルスに感染して炎症が起こると…病気の症状とメカニズムこれらが結膜に侵入すると、白血球やリンパ球が集まって異物をそれらを攻撃するため血流が増えて目の血管が太くなります。すると、普段はきれいなピンク色をしたまぶたの裏や白い「白目」が…このように真っ赤に充血してしまいます。さらに、細菌やウイルスをやっつけるために集まった白血球やリンパ球の死骸がベタベタした目ヤニとして出てくるのです。結膜炎と聞くと「人に移るのでは、と心配ですが・・・結膜炎にはうつるものと、うつらないものがあります病気の症状とメカニズムうつる結膜炎…その代表がウイルスが原因で起こる「ウイルス性結膜炎」。感染力が強く、次々と人にうつすことから「はやり目」とも呼ばれています。「はやり目」・・・その正式な病名は「流行性角結膜炎」風邪を引き起こす「アデノウイルス」の8型というのが原因で起こる結膜炎ですが・・・感染してから1週間前後の潜伏期間を経て… 白目やまぶたの裏が真っ赤に充血したり、黄色くベタベタした目ヤニが出てきます。このような、うつる結膜炎、ウイルス性結膜炎には特徴的な症状があります。その一つが…まぶたの裏にブツブツができること。ウイルスを撃退するため、リンパ球が集合して塊となって、ブツブツの集まり、「濾胞(ろほう)」ができるのです。病気の症状とメカニズムもう一つが…耳の前にできるグリグリとした腫れ。耳の前には、ウイルスが全身に広がらないように食い止める働きをする「リンパ節」があります。結膜で生き残ったウイルスが耳の前に移動すると、最後の戦いがリンパ節で繰り広げられます。すると、炎症が起こりグリグリとした腫れがでるのです。結膜炎にかかってから1〜2週間たって、治ったかな〜と思っていたとき…突然、物が見えにくくなることがあります。これは、結膜の炎症が黒目の部分「角膜」にまで広がり、角膜の表面に小さな傷ができたことが原因です。眼の表面に光をあててよく観察してみると「角膜」の小さな傷が白く点状の濁りとして見えます。この濁りが出てしまうと、それが消えるまで視力が低下することがあるのです。その他に、病気の症状とメカニズムウイルスによる結膜炎がこの2つ。子供に多いのが咽頭結膜熱です。これは、プールの水から感染することがよくあるので「プール熱」とも呼ばれています。眼の症状の他に、喉の痛みや発熱を伴い、風邪のように全身がだるくなったり下痢を繰り返します。そして、もう一つが「急性出血性結膜炎」感染してから24時間ほどで、白目の部分にポツポツと点状の出血を起こすのが特徴です。ウイルスより感染力が弱い「細菌性結膜炎」も人にうつることがあります。たとえば、喉や鼻の粘膜にいつもいる「黄色ブドウ球菌」肺炎や気管支炎を引き起こす「肺炎球菌」そして,風邪を引き起こす「インフルエンザ菌」などが細菌性結膜炎の原因となります。細菌のついた手で目を触ることで結膜に感染して、充血や目ヤニをひきおこすのです。実は、結膜炎の原因の中で一番多いのは、この細菌による結膜炎なんです。ウイルスと細菌による結膜炎が人にうつるとすると・・・人にうつらない結膜炎病気の症状とメカニズム一体何が原因なのでしょうか?答えは、花粉やダニ。そう、「アレルギー性結膜炎」です。花粉症によって起こる、くしゃみや鼻水、そして、目のかゆみ。この花粉による目のかゆみこそ、アレルギー性結膜炎なのです。花粉によって結膜が刺激されると、アレルギーを起こす細胞「肥満細胞」から ヒスタミンという化学伝達物質が放出されます。そのヒスタミンが、神経に刺激を与え、かゆみを起こします。時には痛みまで出てくることもあります。また、ヒスタミンには、血液中の水分や白血球を血管の外へ出すという作用もあります。そのため、結膜に水分や白血球がたまり浮腫を起こしてまぶたの裏がブヨブヨに腫れることもあります。結膜炎とひと口に言っても、その原因も症状もさまざま。大切な目に異常を感じたら、まずは、専門家の診断をあおぎましょう。
EXAMINATION 検査

EXAMINATION 検査

FRONTIER 最先端技術

最先端技術アレルギーによる結膜炎が悪化すると…角膜にまで炎症が広がり、最悪は失明をする危険まであります。その場合、行われるのが「角膜移植」。しかし、現在は、ドナーから角膜が提供されなければ角膜移植をすることはできません。日本だけでなく、世界的にみても角膜を提供するドナーの数はあまりにも少ないのが現状。そこで、世界各国で「人工角膜」の研究が盛んに行われています。その一つが「歯根部(しこんぶ)利用人工角膜」なんと自分の歯を利用して人工の角膜を作るというものです。2003年6月、近畿大の福田先生らのチームが国内初の「歯根部利用人工角膜」の手術を行いました。その方法とは・・まず、コンタクトレンズに使う有機ガラスを直径3.5ミリ、長さ8ミリのねじの形にします。最先端技術このレンズを固定するために、硬くて拒絶反応が少ない患者自身の歯を使うのです。この治療で使う歯は「犬歯」その根元の骨の一部を切り取ります。ドリルで中央に穴を開けて・・・ コンタクトレンズで作ったねじ形のレンズを挿入します。このレンズユニットを、移植を行わないほうの眼のまぶたの下にいったん挿入して、あらかじめレンズの周囲に自分の組織を形成させます。最先端技術左目の角膜の中央に、人工角膜を埋め込む形で移植しますs。自分の組織を使うため拒絶反応の心配もなく術後の経過は順調。手術をしてから1ヶ月後、この患者さんの左目の視力はなんと1.2まで回復しました。ドナーからの角膜提供を待ちわびている方々にとってこの人工角膜の成功は、大きな喜びとなるにちがいありません。

FRONTIER 最先端技術
自己管理とてもデリケートなのに、むき出しで大気にさらされている「目」!細菌や花粉はいつでも侵入可能!どの目も、常に結膜炎を起こす危険をかかえています。そんな中、目の健康を守るにはどうしたら良いのでしょうか?まずは! 目の大敵「紫外線」から目を守る!紫外線が皮膚に悪いことは、みなさん御存じですよね。目だって紫外線の悪影響を受けています。特に影響を受けるのが「結膜」白目を覆う結膜は、眼球の中に紫外線を入れないように光を反射させています。さらに、その反射した紫外線が内側から結膜に当たるのです。結膜は外からも内からも紫外線にさらされ、耐え切れなくなって、自己管理炎症を起こすことになるのです。これから一段と、紫外線が強くなるシーズン。皮膚の紫外線対策と共に、帽子やサングラスで目の紫外線対策もお忘れなく。目の大敵「ホコリ・花粉」から目を守る!気付きにくいことではありますが、目もホコリや花粉でよごれています。汚れたら、洗う!でも、手を洗うように、目を洗ったこと、ありますか?実は、目を洗うって、目の健康にはいいんです。でも、水道水で洗うのは…あまりオススメできません。水道水に含まれている塩素で角膜を傷めることがあるのです。目に負担をかけないためには…自己管理「洗眼液」がオススメ。顔を下に向けて、目にピッタリと押し当てたまま、液がこぼれないように上を向きます。数回まばたきをすれば、目の中のホコリや花粉を洗い流すことができますよ。ただし、ほとんどの洗眼液には「防腐剤」が含まれているため、使いすぎると目に負担をかけてしまいます。「1日の使用回数」「1回の使用時間」など正しい使い方を守ることが大切です。結膜と同じように目を守ってくれるのが…「涙」涙には抗菌作用があり、もし、目に異物が侵入すると、目はとっさに涙を分泌してその侵入をシャットアウトしようとします。しかし「涙の分泌が不十分」だったり、「まばたきの回数が少ない」と、ホコリなどを洗い流すことができず、「結膜炎」を引き起こすことがあります。そこで登場!涙の蒸発を少なくして、目の乾燥を防ぐのが、自己管理「目のビタミン」、「ビタミンA」!。「にんじん」「レバー」などに含まれるビタミンAは、目の表面に涙をつなぎ留める接着剤の役割を果たすことで乾燥を防いでくれます。では、このビタミンA、どのくらいとれば良いのかというと・・・・一日の必要所要量は、大人で2000IUといわれています。具体的には・・・小松菜なら…110グラム、にんじんは…50グラム、うなぎなら…40グラム、レバーならたったの5グラムです
パソコン、携帯などなど・・・あなたも自分の目を知らず知らずのうちに酷使しているはず!結膜炎に負けない目の健康を保つ努力、忘れないでください!

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