これまで脂肪肝自体を治せる薬はありませんでした。しかし最近、ある薬が注目を集めています。
40数年前、その薬の
激しい副作用は世界に大きな薬害をもたらしました。その薬の名は
サリドマイド。しかし、
副作用を取り去る工夫が近年研究されています。サリドマイドは脂肪肝治療に、かつて無い効果を期待される薬となるかもしれないのです。
肝臓の脂肪細胞が生み出すホルモンの一つ、
TNFアルファ。このホルモンは周囲の正常な肝細胞を壊し、厄介な
インスリン抵抗性を作り出します。サリドマイドには、このTNFアルファの発生を抑制する効果があるのです。こちらは脂肪肝になったラットにサリドマイドを与えた場合と、サリドマイドを与えなかった場合を比較した映像です。
与えたラットの場合、肝細胞の中にあった
脂肪細胞が減り、正常な状態に近づいているのが分かります。多数の実験からも、TNFアルファに対する
サリドマイドの効き目を立証するデータが得られています。現在研究されているのはTNFアルファに対する効き目を高めた
スーパーサリドマイド。脂肪肝治療の現場からも大きな期待が寄せられています。