肺炎は、重症になると治りにくく、死に至ることもある恐ろしい病気。どうにか、肺炎を予防する
ワクチンが出来ないものか、昔から登場が待ち望まれていました
。そしてついに、「
肺炎ワクチン・ニューモバックス」という予防薬がアメリカで開発されたのです。このワクチンは、肺炎を引き起こす、肺炎球菌の
8割に有効で、安
全性も高いのが特徴。平成元年から日本でも実施されていますが、残念ながらまだ保険の適用外で、使用している施設は数少ないのが実情です。特に、
65歳以上のお年寄りには
有効で、一度接種すれば、5年以上効果が持続します。また、肺炎は、風邪、特にインフルエンザに感染した後、二次感染により発症する事が多い病気です。そこで、
インフルエンザウイルスを撃退する薬剤の開発が進められてきました。そして近年、ついにインフルエンザウイルスに有効な
特効薬が登場したのです。それが
「
ザナミビル」という薬です。ザナミビルは、インフルエンザウイルスの増殖に関与する、
ノイラミダーゼという酵素を
阻害するという、新しい作用をもたらす薬。
ザナミビルは、ウイルスが増殖する気道で、インフルエンザウイルスに作用し、新たな感染を防ぐ働きがあります。ザナミビルは、インフルエンザ
A型とB型、どちらのウイルスにも
有効で、副作用がないのが特徴。ドライパウダー型の吸入薬で、インフルエンザにかかってから
2日以内に吸入すると、効果があります。
ザナミビルの立体構造
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これはウイルスの3次元構造をもとに、コンピューター技術を駆使して設計されたという、画期的な薬なのです。オーストラリアの調査によると、インフルエンザにかかると、発症後2,3日は高熟が続きますが、ザミナビルを服用した過半数の患者は、
24時間以内に高熱や筋肉痛などの全身症状から解放されたそうです。
日本でも最近、ザミナビルの使用が
認められるようになりました。今後も、肺炎に効果のある新薬の開発、新たな治療法に期待がかかります。