メニエール病の発症には、
不安やストレスが深く関係していると考えられています。現在世界中で「メニエール病とストレス」の関係について急ピッチで研究がすすんでいます。そのヒントとなっているのがなんと
宇宙!宇宙酔いを起こしやすい宇宙飛行士の
血液を調べると、「
抗利尿ホルモン」が多いことが分かったのです。排尿の働きを抑えるホルモンです。遠い宇宙に旅立つ宇宙飛行士。その計り知れないストレスのせいで、抗利尿ホルモンが多く分泌されるのでは、と考えられています。
ストレスが原因といわれている
メニエール病の患者ももしかしたら、抗利尿ホルモンを多く分泌しているのでは?そこで、患者たちの血液を調べたところ、やはり、抗利尿ホルモンの濃度が
高い値を示したのです。
とくにめまいの発作直後は通常の
5倍以上!ストレスさえなくなれば、抗利尿ホルモンの分泌を抑えられるのでは?
抗不安薬で不安を和らげ、筋肉や神経などの緊張を解いて、精神的にリラックスさせます。メニエール病と診断された患者さん、91人に抗不安薬の服用前と4週間後にあたる服用後のストレスの度合いなどを「
STAI検査」で調べました。「気が落ち着いている」「安心している」「緊張している」など20項目の総数を5段階で判定して、点数の高い人ほど不安やストレスが強いことになります。さて検査結果です。
抗不安薬を服用するとストレスを乗り越える力がわいてくるようですね。もちろん、
メニエール病の症状も服用前と比べると
軽くなったという結果です。メニエール病の治療薬として、「抗不安薬」はますます
注目されそうです。