2000年の4月から行われているのが「白血球除去療法」。血液を体外の「血液循環装置」の「白血球フィルター」に通し、再び体内へ戻す治療です。フィルターを通して、活性化した白血球を血液から取り除く。その事で、炎症が長引くのを防ぎ、免疫システムの悪循環をストップする治療です。一回の治療では2〜3リットルの血液を処理します。
潰瘍性大腸炎が活動期だと、週一回の治療を4〜5回行います。これまでの治療で、約70%程度の患者に有効というデータが出ています。
そして現在、注目されているのがドラッグデリバリーシステム。ドラッグデリバリーシステムとは、大腸の粘膜の炎症を抑える薬「5ムアミノサリチル酸製剤」を胃や小腸で吸収されることなく、大腸のみで作用させるというものです。そのために、キトサンというカニやエビの甲羅の成分で作ったカプセルに薬を入れます。キトサンのカプセルは胃酸では消化されず、大腸内にいる腸内細菌には分解されるという特徴があるのです。そのため、薬は胃や小腸を移動する際はカプセルに守られ、大腸に来た時点で初めてカプセルが分解されます。カプセルが分解すると中に入っている薬が放出され、大腸で効果を発揮するというわけです。