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2002年9月1日(日) テーマは『緑内障』

今週のドクター今週のドクターは、
新宿プラザ30階クリニック
高橋 義徳 先生


【略歴】

島根医科大学卒業後、東京女子医科大学眼科へ入局。同講師を経て
’96年新宿プラザ30階クリニック、立川市・立飛ビルクリニックで診察。ぶどう膜炎、白内障、緑内障の診断・治療に詳しい

【ドクターの一言】
診察時のモットーは老人から赤ちゃんまでの全ての人に分かりやすく話し、目と体の健康を保つこと。高齢化社会では目の病気が増えますので目に関心を持ち、一生目を健康にしておく事が大切です。

【著書】
「眼科症候群辞典」 メディカル葵出版社
「臨床眼科学大系」 医学書院
「眼科アップトゥデイト」 診断と治療社
「新図説臨床眼科講座 7巻」 メディカルビュー社


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム
日本眼科医会の調査によると、40歳以上30人に1人緑内障にかかっているというデータがある。
また、その80%は緑内障に気がつかず、治療も受けずに日常生活を送っているという。視野がだんだん狭くなり、最悪な状態になると、失明に至ってしまう緑内障。自覚症状が現れないない病気なので、気が付いたときには視神経機能の70〜80%失われている状態。目の上を手で軽く触ってみて下さい。この張りが眼圧。この眼圧コントロールしているのが、「房水」という透明な液体。房水は、血液を材料として毛様体で作られる。つくられた房水は、外からの光を屈折する角膜や、ピント調節の役割をしている水晶体栄養を補給する。さらに角膜や水晶体からでる老廃物の回収という大切な働きをしてシュレム管という排出口から静脈に流れていく。しかし、房水がうまく排出されないと眼の中に房水がたまってしまい、眼圧が高くなる。その結果、視神経が圧迫され、視神経が障害を受け視野がだんだんと狭くなっていく。これが緑内障という病気。
正常眼圧 10〜20mmHg
高眼圧 21mmHg以上
正常眼圧緑内障は全体も6〜8割

【緑内障の種類】

EXAMINATION 検査
【緑内障の検査】
眼圧検査 緑内障の内圧を測定する
眼底検査 視神経乳頭が
陥没していないかを調べる
隅角検査
隅角や線維柱帯の状態を見て
閉塞隅角なのか開放隅角なの
かを診断する
視野検査
視野に欠損部分が
現れていないかを調べる

【眼圧検査】
 

【眼底検査】
 
【隅角検査】
 
【視野検査】
 
MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬
【緑内障の治療】
β遮断薬 毛様体筋への刺激を遮断して房水
が作られるのを抑える
副交感神経作動薬 線維柱帯の隙間を広げて房水の
排出量を増やす
レーザー虹彩切除術 レーザー光線で虹彩に穴を開け
房水が流れるバイパスを作る
線維柱帯切除術
強膜と虹彩を切除して房水の排出口を作る
FRONTIER 最先端技術
視神経に障害が起き、視野が狭くなる「緑内障」。視神経などの中枢神経は、一度障害が起きるともう元の状態には戻らないとされていた。しかし、末梢神経は障害を受けても、再生する能カを持っている。これは、「シュワン細胞」という神経線維を伸ばす手助けをする細胞が働くためにできること。横浜市立大学医学部の出沢先生は、このシュワン細胞を視神経の再生に利用できないかという、画期的な方法を考えついた。

人工シュワン細胞
この方法とは、骨髄から骨髄細胞を少し取り出し、その骨髄細胞を、神経の再生能カを持つシュワン細胞に変えてしまおうというもの。骨髄細胞にある成分を徐々に加えていくと、段々と本物のシュワン細胞と近い形になっていく。
実験として、視神経を切断したラットに、人工的に作り上げたシュワン細胞を移植したところ、視神経は、再生しどんどん伸びてきて脳まで到達。今後の実用化が期待される。
そして、もう一つの緑内障最先端医療は手術法。「Seton手術」と呼ばれるこの手術は、アメリカでは一般的になりつつあるが、日本ではまだ数例。方法としては、白目の部分の強膜と光の調節をする虹彩メスを入れる。房水を排出するために、眼の中にポンブを入れる。ポンプの先はチューブになっていて、そこから余分な房水は体内に戻る仕組みになっている。手術後は房水の排出もスムーズにいき、眼圧も低下させることができる。
SELF MEDICATION 自己管理


緑内障は自覚症状がほとんど現れない病気ですが、時にはサインらしきものが現れることもあるので、ちょっとした前ぶれを見逃してはいけません!それは『頭痛』がしたり、 『吐き気や嘔吐』を起こしたり、『目の充血』、『目が痛む』など一見脳の病気に近い症状です。これらは、緑内障の前ぶれのサインという場合があります。なぜなら、眼圧が急激に上昇し、 視神経が圧迫されるために起こるからです。
緑内障は早期発見して早期治療をすることが、何より大切。
【視野チェック法】
(1) テレビの白黒ノイズ画面の中央に、小さな目印をつけます。その目印を片側の目で、3秒間ほど見つめます。視線を動かさず交互に行います。
(2) 画面のノイズの見え方に欠けや、見え方のおかしいところがないかを、チェックするだけという簡単な方法です。
初期
に出やすい視野異常としては、目印の上側に、らつきが少ない所がでます。
中期になると、ちらつきが見えないところが多くなります。
末期になると、視野の大部分にちらつきを感じなくなるのです。
視野異常の見え方には個人によって、かなりの差があります。代表的なものとしては、「雲がかかっている」「画面に水がのっている」など様々な見え方があります。そして視野チェックは、必ず片側ずつ行って下さい。両目で見ると、正常なほうの眼が、障害があるほうの視カを補ってしまい、視野の欠損を見つけにくくなるからです。
ちょっとした前ぶれも見逃さず、こまめにチェックをして、緑内障をいち早く見つけるつけることがセルフメディケーションの第一歩です。

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