視神経に障害が起き、視野が狭くなる「緑内障」。視神経などの中枢神経は、一度障害が起きるともう元の状態には戻らないとされていた。しかし、末梢神経は障害を受けても、
再生する能カを持っている。これは、「
シュワン細胞」という神経線維を伸ばす手助けをする細胞が
働くためにできること。横浜市立大学医学部の出沢先生は、このシュワン細胞を
視神経の再生に利用できないかという、画期的な方法を考えついた。
人工シュワン細胞
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この方法とは、骨髄から
骨髄細胞を少し取り出し、その骨髄細胞を、神経の再生能カを持つ
シュワン細胞に変えてしまおうというもの。骨髄細胞にある成分を徐々に加えていくと、段々と本物のシュワン細胞と近い形になっていく。
実験として、視神経を切断したラットに、
人工的に作り上げたシュワン細胞を
移植したところ、
視神経は、
再生しどんどん伸びてきて脳まで到達。今後の実用化が期待される。
そして、もう一つの緑内障最先端医療は手術法。「
Seton手術」と呼ばれるこの手術は、アメリカでは一般的になりつつあるが、日本ではまだ数例。方法としては、白目の部分の
強膜と光の調節をする
虹彩に
メスを入れる。房水を排出するために、
眼の中にポンブを入れる。ポンプの先はチューブになっていて、そこから余分な房水は
体内に戻る仕組みになっている。手術後は房水の排出もスムーズにいき、眼圧も低下させることができる。