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2002年7月28日(日) テーマは
夏に多い皮膚病

今週のドクター今週のドクターは、
順天堂大学皮膚科講師
須賀 康 先生


【略歴】

'92年 順天堂大学医学部大学院卒業。
'95年より米国テキサス州ベイラー医科大に留学。
現在、順天堂大学皮膚科講師
(主任、小川秀興教授)。専門は皮膚の生化学、細胞生物学。

【ドクターの一言】
夏は紫外線ばかりでなく、気温や湿度の影響によって皮膚病が
最も増える季節です。適切なスキンケアでお肌の健康を保つよう
心がけましょう。


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

夏に多いお肌のトラブル。夏はシミだけでなく日焼けも嫌!日焼けは日光皮膚炎と呼ばれる立派な病気。
例えば、合わない化粧品から果物の汁まで、様々な物質が紫外線に反応して炎症が起きる「光線過敏症」。そして長年紫外線に当たると起きる「光老化」。
これらの中には皮膚癌に発展する種類もある、というのですから油断は禁物!お肌のトラブルは皮膚の弱い子供たちにも起きやすいもの。快適なプールにも、病気の原因は潜んでいるんです。
ウィルスによって感染する「水イボ」。汗をかきすぎてできる「あせも」、そして「とびひ
EXAMINATION 検査
【皮膚炎の検査】
光線過敏症 光感受性テスト
どの光線にどれくらいの時間で照射率で反応するかを調べる
光パッチテスト
日頃使用している成分のパッチテストを行う
反応があればアレルギーとなる
アレルギーでない上で、
照射を行い炎症反応を調べる
とびひ 細菌培養 とびひ部分の細菌を摂取し、培養する

薬剤感受性テスト

効果のある薬のテストを行う




MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬

【シミの治療】


【脂漏性角化症の治療】

【水いぼの治療】
【あせもの治療】

【とびひの治療】

FRONTIER 最先端技術


暑さに強いたんぱく質

【再生状況】
培養皮膚
やけどなど
培養表皮
色素異常、
水ぶくれなど

培養真皮

肌の欠損など


現在、皮膚病の治療で注目を集めているのが、「皮膚ガンにになる前にしみを取る事」と「皮膚の再生治療」の二つ!
まず、シミ取りの注目株はレチノイン酸外用剤レチノイン酸は1995年に発見されたビタミンAの誘導体。
皮膚細胞の核に浸透して、表皮部分の新陳代謝を活発にする働きがあります。新陳代謝が活発になる事でシミの部分を追い出す効果があります。
最近ではシミ消しのほか、発癌を抑える作用があるとして、更に注目を集めています。
また最近、改めて注目されているのは「培養皮膚」による「皮膚の再生法」。
「培養皮膚」は元々、1970年代にアメリカで開発され、80年代に完成。
全身のヤケドの治療などに使われてきました。
培養された皮膚には培養表皮と培養真皮そして二つを組み合わせた培養皮膚があり、用途によって使い分けられています。
最近注目を集めているのが培養表皮で人の皮膚組織を酵素処理して「繊維芽細胞」を採取。それを培養して培養表皮が作られます。
アメリカ医学会皮膚科誌には、「培養皮膚」によって「白斑」が改善された例などが紹介されています。
「白斑」とは皮膚から色素が抜ける病気。「培養皮膚」を手術で貼り付ける事で、メラニン色素を補い症状が改善される事が分かりました
SELF MEDICATION 自己管理

【直射日光を避ける!】
夏の皮膚病の場合、治療と同時に、原因物質を取り除いたり、寄せ付けない事が予防には大切です。
ウィルスや細菌が原因の「水イボ」や「とびひ」は感染源の大半がプール
プールから出たら、直ぐにシャワーを浴びたり、入浴するのが何よりの予防になります。
汗腺が詰まってできる「あせも」の予防には、とにかく汗をよく拭き、小まめに着替えをしましょう。
お肌に軽くパウダーをはたいたり、肌を冷やすのも炎症を抑える上では効果的です。
紫外線が原因の皮膚病の場合、何と言っても自分で日光から肌をガードするのが肝腎!
日差しの強い午11時から午後1時までは外出を避ける。
どうしても外出しなければならない場合、帽子日傘で、なるべく紫外線に肌をさらさないようにしましょう!
日傘は布地の黒いもの、帽子はつばの広くて大きなものが紫外線対策にはオススメです。
ビタミンAやCの多い食品をタップリ摂り、紫外線の影響で肌が酸化しないよう心掛けるのもポイント!
また最近、アメリカ医学会皮膚科誌で、ドイツ・ルール大学皮膚科の行った面白い研究データがありました。
着ている服の素材によって、紫外線の透過率が違うというのです。
この研究データによると、紫外線を通しにくい素材は一番目がポリエステル。二番目がナイロンとウール。三番目が綿・レイヨン・麻、という順番になっています。
一番に挙げられたポリエステルは素材のポリマーが紫外線を吸着して肌に届かなくするというのです。
夏の皮膚病予防は何より紫外線を避け、肌を清潔にする事が大切
ちょっとした気配りで、貴方の大切なお肌を守りましょう!

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