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2002年6月30日(日) テーマは『骨粗鬆症』

今週のドクター今週のドクターは、
荻窪病院整形外科部長
河野 亨先生


【略歴】

’83年 慶應義塾大学医学部卒業。 同大学整形外科入局。
川崎市立川崎病院整形外科 副医長、荻窪病院整形外科 医長等を経て、’01年 荻窪病院整形外科 部長、現在に至る。

【ドクターの一言】
骨粗鬆症は骨折を起こしやすいばかりでなく、重度になると骨折の 治療においても骨が弱くてねじがきかない場合すらあります。
骨粗鬆症はある程度は予防できますので普段から心がけて下さい。

【著書】
専門書  「腰椎の臨床(分担執筆)」:メジカルビュー社


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

左:健康な骨 
右:骨粗鬆症の骨


【 背骨に骨粗鬆症が起こると 】
 ・ 背が低くなる
 ・ 背中が曲がる
 ・ 痛み、しびれ、麻痺

【大腿骨(太ももの骨)に
         骨粗鬆症が起こると 】

 ・ 骨折
 ・ 寝たきり

EXAMINATION 検査







【骨粗鬆症の検査】

● 血液・尿検査

● 骨密度測定
★ X線検査
・DXA(デキサ)法
全身のどこの骨でも測定できる
・MD法
手の骨を測定

★ 超音波骨密度測定法
かかとの骨を測る


MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬




・カルシトニン製剤の原料 ↓


【骨粗鬆症の治療】 ・・・薬

骨の破壊を抑える薬
・カルシウム製剤
・カルシトニン製剤
・ピスフォン フォーネート剤
骨の形成を助ける薬
・ビタミンK2製剤
骨の破壊・形成を調整する薬
・ビタミンD製剤

FRONTIER 最先端技術

骨の形成を促す物質が、どう働くかを京都大学薬理学の成宮教授が突き止めた。
その物質は、「EP4」

EP4は細胞の表面に存在していて、ある情報をキャッチすると、その情報を細胞に伝えて働くようにする受容体のこと。

成宮教授らの研究グループは、この EP4という受容体が、骨芽細胞の働きに関与しているとこを突き止めました。

さらに、このEP4だけを活性させる物質を発見。
そこで、受容体のうち、EP4だけを物質に反応しやすくする薬を開発

実験では骨粗鬆症になりやすいように卵巣を摘出したラットをつくって、 観察した。
すると、何も投与しなかったラットでは、2カ月後、骨粗鬆症の症状が顕著に表れ、骨がスカスカになってしまった。
一方、薬を投与したラットでは、一週間後から、骨芽細胞が増殖し始め、 2カ月後には、骨の密度や強さがほぼ正常のまま保たれ、回復したことがわかった。
つまりこの薬の働きで骨芽細胞が増殖していることが確かめられた。

臨床実験では、今のところ、副作用は確認されていない。

SELF MEDICATION 自己管理
骨粗鬆症の予防には、適度な運動と、食事療法が欠かせない。 大切なのは、やはりカルシウム

人間の体内には、カルシウムが
女性でおよそ1キロ

男性でおよそ1.2キロ
ある。

実は体内カルシウムの99%が骨に蓄えられていて、残り1%が血液に含まれている。
この血液に含まれるカルシウムが、実はとても重要で濃度が一定に保たれないと、全ての細胞の働きが止まってしまう。
そのため血液中のカルシウムが足りなくなると骨を壊してカルシウムを溶かし血液中に補充する仕組みになっている。
つまり、食事のカルシウム不足により、どんどん骨からカルシウムが失われていく。

【カルシウムの効果的な摂り方】

カルシウムの吸収率を見てみると、
小松菜19%
小魚33%に対し、
牛乳は40%
やはり、牛乳が一番効果的。
牛乳100グラムあたりカルシウム量は100ミリグラムなので、 1日コップ1杯の牛乳を朝夕飲むだけで目標摂取量。
1日600ミリグラムにかなり貢献できる。

もう一つお勧めなのが「木綿豆腐」
木綿豆腐はカルシウムが凝縮されているため、絹ごし1丁に対し、3分の1の量で同じだけのカルシウムが摂れる。

また、カルシウムは、タンパク質と一緒に摂ると吸収率が良くなる。
しかし脂肪と一緒に摂ると、吸収率が悪くなりますので、ご注意。


もちろん、運動も大切!
特に重要なのは、腹筋を強くする事。腹筋は縦方向に圧力が加わるので、 骨を強化するには効果的。

朝、起きる時には、膝を立ててからおへそを見るようにして、起き上がる。
こんな簡単なことで腹筋は強くなる。
また、スーパーマンのように手足を伸ばして身体を浮かせるのも、腹筋には効果的。

さらに、日常のちょっとした行動でも骨に負担をかけない方法がある。
上の方に荷物を置くときは、片方の足を一歩出してからがコツ。
荷物を持ち上げるときも、股を開いて腰を落とすようにする。
実は、布団の上げ下ろしや、畳中心の和風の生活が、足腰の筋肉を強くして、骨を丈夫にしていた。


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