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2002年4月21日(日)
テーマは『椎間板ヘルニア』


今週のドクター今週のドクターは、
杏林大学医学部整形外科主任教授
里見 和彦 先生


【略歴】

’70年 慶應義塾大学医学部卒業。同大学整形外科学教室入室。
’80年 米国南カルフォルニア大学関連
     ランチョ・ロス・アミゴス病院留学。
’90年 慶應義塾大学整形外科講師、
     東京 専売病院整形外科部長等を経て
      現在杏林大学医学部整形外科主任教授

日本整形外科学会代議員
日本整形外科レーザー研究会幹事他

【ドクターの一言】
モットーとしては、短い時間で患者さんを診察するなかで、相手の 立場に立つということです。相手の顔をみることで、病状の説明が 十分であるかが分かります。

【先生の著書】
専門書  全日本病院出版会 頚部脊椎症の正しい知識

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム







★構造図
  • 椎間板に強い圧力や負担がかかると、椎間板の中心でクッションの役目をしていたゼラチン状の髄核が外に飛び出す。
  • 飛び出した髄核がすぐ後ろの神経根や馬尾神経を圧迫
  • 炎症を起こして痛み痺れが起きる。酷いときは歩行困難になる。





★椎間板ヘルニアの4つのタイプ
Pr型→ 髄核がはみだして、周囲の繊維輪に亀裂が生じるが、外には、はみだしていない  
Es型→ 繊維輪に生じた亀裂を破って中の髄核が飛び出した状態
Et型→ 繊維輪だけでなく後縦靱帯にも亀裂が生じて髄核が椎間板の外まで出てしまい神経を圧迫する
Se型→ Et型のうち髄核が硬膜外に移動した状態




 ↑写真:1
★痛みや痺れの場所  

・第3腰椎と第4腰椎の間の椎間板ヘルニア
→太ももからふくらはぎまでの足の内側の神経痛(写真:1) 

 ↑写真:2

・第4腰椎と第5腰椎の間の椎間板ヘルニア
→太ももの外側、すねから足の甲までの神経痛 (写真:2)

 ↑写真:3


・第5腰椎と仙骨の間のヘルニア
→太ももやふくらはぎの後ろ側、足の甲の神経痛(写真:3)  
EXAMINATION 検査





○下肢伸展拳上テスト
・・腰椎が正常なら足は90度まで上がる。 ヘルニアがある場合、30度くらいから痛みが出る。

○レントゲン検査
・・ヘルニアなのか他の原因による痛みなのか確認する。

○MRI
・・・ヘルニアの場所を特定する。

MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬

  ↑牽引療法

○保存療法・・・椎間板ヘルニアの80%は、痛みが治まる。代表的なものは、牽引療法 (※骨盤にベルトをかけて足の方に引っ張る治療法。)

○ラブ法・・・・保存療法を行っても、再発を繰り返し慢性になったら行う手術。成功率は90%以上

FRONTIER 最先端技術

  ↑経皮的椎間板切除法

○経皮的椎間板切除法・・・背中を切開しないので、負担が少ない。 但し、分離したヘルニアには効果がない。
40代以上は髄核がかたいため、手術は不可能。

○経皮的レーザー蒸散法・・レーザーを使い髄核を蒸散させると、椎間板の内圧が下がり外に飛び出したヘルニアが中に引っ込む。まだ保険はきかない。

SELF MEDICATION 自己管理











〈椎間板への負担〉
 ・肥満
 ・老化
 ・重い物を持つ
 ・長時間同じ姿勢をとり続ける

〈椎間板への圧力〉
体重が50キロの場合
 ・立っているとき・・・30キロ
 ・イスにかける・・・・60キロ   

<腰を45度曲げて荷物を持つ場合>
・荷物が10キロ重くなるに従い80キロずつ圧力が加わる

Point!!
肥満を防ぎ、無理な動作は出来る限り慎む。



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