#351 荻窪 前編玉袋筋太郎

今回の舞台は杉並区荻窪。6年前、14軒の町中華がひしめく密集地帯だった荻窪。コロナ禍を経て、情勢が大きく変化した近年、町中華密集地帯を6年ぶりに玉ちゃんが巡ります。

1軒目は、荻窪駅北口から徒歩15分。昭和31年開業の「ことぶき食堂」。しかし、着くや否や、6年前とは様変わりした店に驚く玉ちゃん。女将にワケを尋ねると、店主が亡くなり、3代目の長女が代替わりしたのを機に町中華をやめ、カジュアルな店へとリニューアルしたのだとか。驚きを隠せない玉ちゃんですが、まずはいつもの瓶ビールで一息、酒のお供に女将お手製の「ぬか漬け」。1品目は、先代から受け継いだ名物の「ブタカラ」をチョイス。かつて食べた思い出の味と、暖簾を守る3代目の想いに心打たれた玉ちゃんは、ますますビールが捗ります。そして最後は、3代目考案の「和風だしのスパイスカレー」。町中華ではなくなったものの、先代のDNAは確かに受け継がれていると感じる1軒目となりました。

変わりつつある町中華密集地帯、荻窪。後編は駅南口へ。

#352 荻窪 後編玉袋筋太郎

前編に続いて、後編も町中華密集地帯「荻窪」を巡る玉ちゃん。

2軒目に向かったのは、荻窪駅南口の「虎林」。過去に茜ちゃんも訪れた町中華。しかしその場所に着くと「虎林」がないことに気づく玉ちゃん。実は3年前に閉業していたのです。複雑な想いを胸に、次に選んだのは荻窪駅北口の商店街にある「冨士中華そば」。しかし、こちらも4年前に閉業。町中華密集地帯といわれた荻窪はもはや過去のこと。風前の灯火であると分かった玉ちゃん。

3度目の正直で選んだのが、荻窪駅北口から徒歩7分。開業昭和6年の「春木家本店」。ようやく腰を据えることができた玉ちゃんは瓶ビールで喉を潤します。そしてつまみを選ぼうとメニューを見ると、中華そばの他に日本蕎麦のメニューが。実は「春木家本店」は、蕎麦と中華の二刀流。そこに味を締めた玉ちゃんは「板わさ」「ネギメンマ」に、豚の胃袋を豆板醤の効いた醤油ダレで和えた「とんさき」をチョイス。ビールも思わず進みます。次に頼んだのが「冷酒ます酒」と、白髪ネギとおろしポン酢で頂く「炙りチャーシュー」。肉の香ばしさとポン酢の酸味が相性抜群の1品に、玉ちゃん大絶賛。最後は、いつもの「中華そば」かと思いきや「せいろ」も頼み、大満足の玉ちゃん。

わずか6年で街の様相が大きく変化していたものの、それを嘆くのではなく、今ある町中華を大切にしていきたいと改めて感じた玉ちゃんなのでした。