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TBSドキュメンタリー映画祭舞台挨拶に加藤登紀子さん登壇!オープニング作品BS‐TBS「通信簿の少女を探して」上映

2023.03.20(月)

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3月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷にて、毎年恒例となった『TBSドキュメンタリー映画祭』の上映が始まった。オープニング作品として令和4年度(第77回)文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞した「通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~」が上映された。上映後の舞台挨拶には、監督の匂坂緑里(TBSスパークル)が登壇。さらに、作品中にも出演し、自らの"引き揚げ"経験を語ってくれている歌手の加藤登紀子さんも会場に駆けつけた。語り継がなくてはいけない戦争...77年が経過した中で、放っておけば風化してしまうという現実にどう対処していくべきなのか?実体験を交えた加藤さんの言葉は痛烈に心に響いた。

『TBSドキュメンタリー映画祭2023』は、3月17日~、東京・大阪・名古屋・札幌の4都市で随時開催していく。

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84分に及ぶ上映の後、舞台上にあがったのはこのドキュメンタリー作品を企画・演出した匂坂緑里監督。そして、作品中でも自らの経験談を話してくださった歌手の加藤登紀子さんも会場に駆けつけてくれた。司会はTBSアナウンサーの吉村恵里子が務めた。まず、映画上映されたことについて匂坂監督は「6年前の最初の頃は、孤独な旅でした。でも今日こんなにも大勢の方に作品を共有してもらえた事で、6年後にはこんなに仲間が増えたんだと思えると感動しています。」と語り、観客の拍手を誘う。ゲストで訪れた加藤さんは、この作品について「壮絶な経験を力に変えて生き抜いてきた通信簿の少女に感動する。私は、1946年中国・葫蘆島から引き揚げてきた。その無数の難民が引き揚げてくる様子を中国のある画家が幅20メートル、高さ3メートルにもわたる巨大な絵に描き残している。今回インタビューに応じるにあたって、某大学でその絵を見せていただく事が出来た。さらに、その絵の前でインタビューにこたえさせていただいた事は私には大きな出来事でした。」と明かした。また、6年にも及ぶ捜索について匂坂監督は「『通信簿の持ち主を探しています』と言うと、一緒になって探してくれる人が多く、これはいったいなんだろう?と。もしかしたら、私だけが感じている好奇心じゃなく、協力してくれる皆さんの中にも同じだけの好奇心が共有していただけてるのではないかなと思えた事が、モチベーションの持続につながりました。」と語った。

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さらに、加藤さんは戦争という歴史に対する思いを聞かれると「歴史というのは大きな言葉でしか残らない。"戦争があった"、"敗戦した"、"終戦が何日でした"というような。でもそんなのは歴史の結果であって見出しでしかない。本当の歴史というのはディテール。その日、その瞬間に、その子はどこで何をしていたのか?それが大事。通信簿の少女を訪ねていくこの旅には、教科書には描かれなかった歴史がある。残念ながら昨年、ウクライナで戦争が始まり一年が過ぎました。こういう時代の中でこの大切なドキュメンタリーが上映されるという事、とても貴重ですし、多くの方が観に来てくださったことはとても有難い事だと思います。」と熱を込めて話すと会場は拍手喝采を送った。

同作品は、ヒューマントラストシネマ渋谷にて3月23日(木)、29日(水)にも上映。その後、大阪では3月29日(水)、4月3日(月)、名古屋では3月24日(金)、28日(火)、31日(金)、札幌でも随時上映される予定。

<TBSドキュメンタリー映画祭とは>

TBSが在京キー局として日々映像を送り出してきた映像群の中には、放送されなかったがもう一度見ると発見することが数多くあり、その後についてとても知りたくなるような映像が沢山あった。「さらに伝えなくてはならない」という思いから、もっと深くじっくりと長い時間をかけて届けるべく、テレビでは放送されなかった映像を迫真のドキュメンタリー映画として劇場で上映しよう、という意図からから始まった「TBSドキュメンタリー映画祭」。初回の2021年から今年で3回目を迎える。今年も、TBSやTBSグループ、JNN系列局の情熱あふれる監督たちの全15作品が揃った。

TBSドキュメンタリー映画祭2023 https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/

・上映スケジュール

▼ヒューマントラストシネマ渋谷 東京

3月17日(金)ひる12:00~

  23日(木)午後 1:45~

  29日(水)午後 2:15~

▼シネ・リーブル梅田 大阪

3月29日(水)午後 2:00~

4月 3日(月)午後 2:00~

▼伏見ミリオン座 名古屋

3月24日(金)午後 7:00~

  28日(火)午後 1:30~

  31日(金)午前 9:30~

▼シアター・キノ 札幌

上映スケジュール未定

<作品情報>

番組名:「通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~」

BS‐TBS初回放送:2022年8月14日(日)よる9:00~10:54

受賞記念再放送:2023年2月18日(土)午後1時~2時54分

旅人:三浦透子(俳優・歌手)

ナレーション:仲村トオル

VTR出演:山田洋次(映画監督)、加藤登紀子(歌手)、秋吉敏子(ジャズピアニスト)

<スタッフ>

制作プロデューサー:初瀬川啓太(BS-TBS)

プロデューサー:尾賀達朗(TBSスパークル)

企画・演出: 匂坂緑里(TBSスパークル)

構成:田代裕

制作:BS-TBS TBSスパークル

画家ゴーギャンの古書に1枚の色褪せた通信簿が挟まっていた。それは、昭和23年、別府市の小学6年生の少女のものだった。番組は通信簿を少女に返さねばという思いに駆られ、少女探しの旅に出る。歴史に埋もれた日本の戦後史をひも解く旅の始まりだった...。

「少女」探しの旅から見えてきたのは、日本の歴史の中で置き去りになった「地方」「市民」そして「女性」の戦中・戦後史。今回の舞台となる大分県、別府もまた同じだった。

戦後の一時期、人口密度日本一を誇った温泉都市・別府が担った、戦中・戦後の驚くべき役割とは?

そして通信簿の少女は、どのように別府に「引き揚げ」てきたのか、存命ならば戦後77年間、どのように生きてきたのかー。番組では山田洋次監督、加藤登紀子さん、ジャズピアニスト秋吉敏子さんに「引き揚げ」体験のインタビューも敢行。戦争を知らない若者の声の代弁者として、旅人に三浦透子さん。これまでにない、もう一つの日本の戦後史が浮き彫りになる。

公式ページ
https://bs.tbs.co.jp/news/tsushinbonosyojo/