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ドキュメンタリー「通信簿の少女を探して」令和4年度(第77回)文化庁芸術祭賞 贈呈式&受賞記念再放送&TBSドキュメンタリー映画祭にも参加

2023.02.17(金)

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2月15日(水)リーガロイヤルホテル東京において、令和4年度(第77回)文化庁芸術祭賞贈呈式が行われ、テレビ・ドキュメンタリー部門で「通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~」が優秀賞を受賞しました。番組から企画・演出を務めた匂坂緑里(TBSスパークル)、プロデューサーの初瀬川啓太らが出席、簗和生文部科学省副大臣から賞状と目録を受け取りました。今回で77回目を迎える文化庁芸術祭は、広く一般に優れた芸術作品を鑑賞する機会を提供するとともに、芸術の創造と発展を図り、日本の文化の向上と振興に資するため、昭和21年から芸術祭を毎年実施している祭典です。受賞を記念して、BS‐TBSでは明日2月18日(土)午後1時から再放送。また、3月17日(金)より開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2023』においても上映が決定しています。

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贈呈式では、まず各賞の受賞代表者及び受賞理由が発表されました。『通信簿の少女を探して』の受賞理由は(以下文化庁ホームページより引用)「ネット通販で購入した本に挟まっていた戦後間もない頃の通信簿。最優秀の成績だが、クラスの中でやや浮いた印象の一人の少女を探し始める導入はスリリングだ。足跡をたどる旅を通して大陸からの引き揚げ者の運命と、敗戦を挟み180度変わった歴史の断面が浮かび上がる。戦争を考えさせる人間ドキュメントとしてとても興味深く、意義深い番組となった。」というもの。簗文部科学副大臣より賞状と目録が授与され、代表の初瀬川プロデューサーは深々と一礼。会場からは大きな拍手が起こりました。

BS‐TBSプロデューサー初瀬川は、贈呈式後の祝賀会において登壇してスピーチを行いました。

また、企画・演出の匂坂も、受賞の喜びを語ってくれました。

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<コンテンツ編成局 プロデューサー/初瀬川啓太>

名誉ある賞をいただきまして大変光栄です。ありがとうございました。この作品は、ディレクターが1枚の通信簿を偶然手にしたことから始まります。通信簿を返そうと少女を探す旅の中で、知られざる引き揚げの実態、戦中戦後史が見えてきました。まだまだ語られていない物語があることを実感しました。今回、通信簿の少女をはじめ、たくさんの方から貴重なお話を伺うことができましたが、戦後77年が経ち、年々、戦争当事者のお話を伺う機会を得ることが難しくなってきています。放送局、メディアの役割として、そのような声を丁寧に拾って、しっかりと伝えていきたいと思います。

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<TBSスパークル 企画・演出/匂坂緑里>

各界の受賞者の方々を見て、この賞の大きさに改めて驚きました。ただこの場にいても"自分が作った番組"という実感がなく、ただただ通信簿の少女に導かれて、ここまで連れて来られたのだと感じています。もちろん喜びもありますが、今回の受賞を通して、あの通信簿は私に何をさせようとしたのか?今後、私に何が求められているのか?ということをずっと考えています。ドキュメンタリーは人のプライバシーに踏み込んでいくものです。それでも、今回の取材過程では多くの方が、快く取材に応じて下さいました。ありがたいと思うとともに、なぜだろう?とも思いました。もしかしたらそこには、「引き揚げ」...ひいては戦争について、多くの方が自らの言葉できちんと語らなければいけない最後のチャンスだと感じているのではないかーと思いました。そういった意味で、この番組が閉ざしていた口を開き、思いを吐露させる一端を担えたのだとすれば大変うれしく思います。

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番組名:「通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~」

初回放送:2022年8月14日(日)よる9:00~10:54

受賞記念再放送:2023年2月18日(土)午後1時~2時54分

旅人:三浦透子(俳優・歌手)

ナレーション:仲村トオル

VTR出演:山田洋次(映画監督)、加藤登紀子(歌手)、秋吉敏子(ジャズピアニスト)

<スタッフ>

制作プロデューサー:初瀬川啓太(BS-TBS)

プロデューサー:尾賀達朗(TBSスパークル)

企画・演出: 匂坂緑里(TBSスパークル)

構成:田代裕

制作:BS-TBS TBSスパークル

画家ゴーギャンの古書に1枚の色褪せた通信簿が挟まっていた。それは、昭和23年、別府市の小学6年生の少女のものだった。番組は通信簿を少女に返さねばという思いに駆られ、少女探しの旅に出る。歴史に埋もれた日本の戦後史をひも解く旅の始まりだった...。

「少女」探しの旅から見えてきたのは、日本の歴史の中で置き去りになった「地方」「市民」そして「女性」の戦中・戦後史。今回の舞台となる大分県、別府もまた同じだった。

戦後の一時期、人口密度日本一を誇った温泉都市・別府が担った、戦中・戦後の驚くべき役割とは?

そして通信簿の少女は、どのように別府に「引き揚げ」てきたのか、存命ならば戦後77年間、どのように生きてきたのかー。番組では山田洋次監督、加藤登紀子さん、ジャズピアニスト秋吉敏子さんに「引き揚げ」体験のインタビューも敢行。戦争を知らない若者の声の代弁者として、旅人に三浦透子さん。これまでにない、もう一つの日本の戦後史が浮き彫りになる。

『TBSドキュメンタリー映画祭2023』

魂を揺さぶる良質のドキュメンタリー映画作品の発信地となるべくTBSが立ち上げたドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」。

「TBSドキュメンタリー映画祭」は、そこから生まれたドキュメンタリー作品を劇場で上映するという今年で開催3回目を迎えるイベント。

今回、BS-TBSから「通信簿の少女を探して」が映画祭に参加し、東京・大阪・名古屋・札幌といった都市で上映される事となった。

【「通信簿の少女を探して」上映スケジュール】

・3月17日(金)昼12:00~

・3月23日(木)午後1:45~

・3月29日(水)午後2:15~

⇒詳細はこちらから https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/

公式ページ
https://bs.tbs.co.jp/news/tsushinbonosyojo/