基本の基
「かぶら」基本の基
       
12月22日放送 (# 11)
 
「蕪は天下分け目の関が原」
 
 
<蕪の種類>
日本で栽培されている蕪は、約80種。
その種類の多さは世界一。

普通、売られているのは小かぶ。重さにして150g前後。
一時絶滅したとされ、最近再び栽培されるようになった天王寺かぶは、大阪の蕪。
金沢青かぶは、漬け物に最適とされ、この蕪で作る『かぶらずし』は、正月に欠かせない、石川県の郷土料理。
京都の聖護院かぶらは、千枚漬けで有名。重さは2キロを越え、大きいものでは4キロにもなるという。
蕪の種類  
 

<日本の蕪の分布>
1952年、民間の研究家・渋谷 茂が引いた、ある境界線。
それは、葉の形状や種の細胞組成が、その線を境に2つのグループに別れるというもの。その名もかぶらライン。
愛知―岐阜―福井を結ぶ境界線。これぞまさに、天下分け目の関が原!
東日本には、ヨーロッパから来た寒さに強い洋種系。
西日本には、気温に敏感な、謎のルーツの和種系。
その境界線は、愛知―岐阜―福井を結ぶ“かぶらライン”。
まさに天下分け目の関が原!

日本の蕪の分布

 
 

ラインを境に東から北に分布する蕪は洋種系。
ヨーロッパが原産。横幅が広く縁がぎざぎざの葉っぱが特徴。葉も蕪も硬く漬け物向き。

洋種系  
 

一方、ラインの西から南の蕪は和種系。
ルーツは今もって不明。茎が立っていて、しゃもじ型の葉っぱが特徴。
葉も蕪も柔らかく、すべて食べられる。

和種系  
 

長野県の名産、野沢菜は、実は和種系の蕪の仲間!
そして、洋種系と和種系の中間種が、小かぶ。
両方のいいところをとって改良され、全国的に栽培されている。

野沢系  

東日本と西日本、代表的な蕪を紹介すると…

東日本・洋種系 … 金沢青カブ(石川県)
漬け物に最適。この蕪でつくる『かぶらずし』は、正月には欠かせない郷土料理。
西日本・和湯系 … 聖護院かぶ(京都府)
大きくなると、4キロにもなる白丸の大カブ。千枚漬けが有名だが、煮崩れしにくく煮物にも向いている。
天王寺かぶ(大阪府)
天王寺で生まれた中かぶの代表的存在。葉や茎が柔らかく根と共に煮物に…。
日野菜かぶ(滋賀県)
首は赤紫で、棒のように細長い。葉も根も一緒にぬか漬けや酢漬けに…。
中間系 … 小カブ(全国)
洋種、和種の中間系で、全国で栽培されている。東京金町の特産だった『金町小カブ』を改良したもの。
 
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