基本の基
「蕎麦」基本の基
       
12月1日放送 (# 8)
 
「蕎麦はいつからあなたのソバに?」
 
 
もともと蕎麦は今のような麺ではなかったのをご存知でしたか?
蕎麦の起源は中国の雲南省と推定されており、四大文明の地域でも紀元前4〜5千年頃に栽培されていました。日本にも、すでに縄文時代には渡来しており、最古のものは北海道渡島のハマナス遺跡から出土しています。ということは、日本人は縄文前期頃には蕎麦を食べていたことになるのです。

当時は今のような麺ではなく、粉にして練って作る「蕎麦練り(蕎麦がき)」や「蕎麦団子」にして食べていました。
中国雲南省  
 
ところが! 江戸時代になると、小麦粉をつなぎに使う方法が朝鮮から伝わってきました。その結果、蕎麦は麺として急速に普及していったのです。当時は「そば切り」と呼ばれたそうです。そして、「そば切り」は簡単に作れ、サッと食べられることから、17世紀半ばの江戸の町にはこんなものが登場しました!

そう、蕎麦の屋台です。
蕎麦団子  
 

江戸時代には蕎麦のほかにも寿司や天ぷらの屋台もあったそうで、今でいうファーストフードの走りですね。この蕎麦屋台、せっかちな江戸っ子に受けに受けて、大流行しましたが、火災の原因になるとして、幕府が禁止した為、姿を消してしまいます。
そこで登場したのが店舗の蕎麦屋でした。この頃の江戸は、地方から独り者が沢山流入していました。そんな独り者にとって、蕎麦屋非常に便利だったのです。しかも蕎麦は「江戸わずらい」といわれた脚気に効くと言われて、江戸の蕎麦屋は大ブレイク! ものすごい勢いで増えていきました。

そばの歴史  
 

さあ、そこで問題です!
1830〜40年の当時、人口100万人と言われた江戸の町なかに、蕎麦屋は何軒くらいあったでしょう?
正解は、江戸人口 100万人に対して蕎麦屋 3760軒!

そば屋 3760軒  

今も庶民に親しまれている蕎麦ですが、自給率はわずか20%以下。中国、アメリカ、カナダからの輸入に頼っているのが現状です。

以上、蕎麦の基本の基でした。


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