基本の基
「いちご」基本の基
       
1月19日放送 (# 15)
 
「ようこそ日本へ」
 
 

<野菜と果物のちがい>
野菜=一年草で、種まきから始める。苺の他に、スイカ、メロンも野菜に分類される。
果物=多年草の木になる実で、1本の木から何年も収穫できる。

野菜と果物のちがい
 
 

<苺と日本人>
日本で最古の記録は平安時代。
清少納言の「枕草子」の中の記述。
「梅の花に雪がふりたる。
 あてなるもの
 いみじう美しきちごの、
 いちごなど食ひたる」

(現代語訳)「梅の花に雪が降るさまや、とてもかわいらしい子供がいちごを食べているところが優美」

苺と日本人

 
 

<栽培された苺の歴史>
18世紀初頭、南アメリカのチリ苺がオランダで交配され、オランダイチゴが作られました。
江戸時代末期、1830年頃にオランダとの貿易によって、長崎に伝わりましたが、当時はあまり人々には認識されませんでした。

イチゴの父  
 

初めて栽培されたのは1899年(明治32年)。
宮中顧問官で農学博士の福羽逸人(ふくばはやと)子爵が、自ら設計したガラスの温室でオランダイチゴを改良し、皇室に献上したのが始まり。

 
 

今でも新宿御苑内に温室が残っています。

日本発の温室  
 

福羽博士はオランダから取り寄せた種子に改良を重ね、10年目にして日本の品種第1号を完成させたのです。
その名も「福羽苺」。別名「御料イチゴ」。
外来品種に比べると、大粒で肉質が良く、寒さにも強いため、冬でも実をつけるという優れた特徴をもっていました。
しかし門外不出だった為、一般に知られることはありませんでした。
「福羽苺」が市場に出回るようになったのは、宮内庁の許可を得た後の、昭和13〜15年頃。その後本格的に、静岡を中心に栽培が始まりました。

第2次大戦中は、デザートにしかならないようなものは作ってはならない!
というお触れのために、生産がストップしましたが、戦後の復興と共に、「福羽苺」は全国で生産されるようになりました。
優良品種として改良されながら現在に至り、「福羽苺」から6代目にあたる「紅ほっぺ」は、人気品種です。

 

<世界の苺の生産量>
1位アメリカ 2位スペイン 3位日本
2千億円産業といわれている苺市場。苺の生食に関しては、日本の消費量は世界一です。

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