弁護士高見沢響子7
少女監禁殺害事件の法廷で男が発砲!!勝ち目のない拳銃男の弁護に響子が挑む!
少女監禁殺害事件の法廷で男が発砲!!勝ち目のない拳銃男の弁護に響子が挑む!
中学生の杉下なつみが、乱暴されて殺された。一週間後、犯人の田倉雅夫が逮捕され、裁判が始まった。傍聴席にいた響子と響子の助手、久松は、田倉のふてぶてしい態度に眉をひそめていた。なつみの母、正子が思わず無念の気持ちを叫んで、退廷させられた時も、田倉はふて腐れた表情のままだ。その時、傍聴席にいた男が鞄から拳銃を取り出し、田倉に銃口を向けた。響子の静止も聞かず男は発砲し、田倉は負傷する。男はその場で取り押さえられた。男は被害者であるなつみの身内かと思われたが、そうではなかった。正子も面識がないという。男が一切を黙秘しているため、名前もわからないまま裁判が行われることになった。響子は男の弁護に名乗りを上げる。手がかりが無く調査は難航するが、男が犯行時に叫んだ方言が手がかりになって、彼が茨城県の会社員・毛利光俊だということが判明する。毛利と彼の家族は一年前に起きた痛ましい事件の被害者だった。高校生だった毛利の娘、美鈴が乱暴された。犯人は宮村一樹という無職の青年だ。毛利と妻の八重そして美鈴の妹、加奈子は必死で美鈴の心を癒そうとしたが、美鈴は自殺した。毛利は娘と家族を救うことができなかった自分を責め続けている。それにしてもなぜ、毛利は美鈴の事件には関係のない田倉を撃ったのか。響子は先輩弁護士、岩崎幸四郎の言葉をヒントに動機を推理する。響子はほんの小さな手がかりから、接点がないと思われていた毛利と正子が、細い糸でつながっていたことを突き止めた。相次いで娘を失い、生きる希望を無くした毛利と正子は、死に場所を求めてさまよい、たどり着いた断崖で偶然出会っていたのだ。お互いの娘を襲った悲惨な事件を知り、二人はある計画を立てた。まず毛利がそれを実行した。響子は正子がその計画の仕上げをしようとしてることに気付く…。