弁護士猪狩文助2「罪を逃れて笑う奴」
“法廷荒らし”の異名をとる破天荒な弁護士・猪狩文助が、法律の裏に隠された真実を暴く!
“法廷荒らし”の異名をとる破天荒な弁護士・猪狩文助が、法律の裏に隠された真実を暴く!
夏目理恵子は弁護士・猪狩文助に弟子入りしたものの、一度も刑事事件を担当させてもらえず不満を募らせている。そんな夏のある日、理恵子が任された行政訴訟の依頼人・松浦いづみが、夫・敦史殺害の容疑で逮捕された。高校教師だったいづみは教え子・敦史との同棲がばれて結婚したものの、それを理由に懲戒免職となったことを不服として訴訟を起こしていた。犯行当夜、敦史との喧嘩が原因で実家・館山に帰っていたいづみは、翌日東京に戻って初めて家中が荒されていることに気付くが、まもなくして近くの雑木林から敦史の遺体が発見されたのだ。最初はいづみに対して親身になれなかった理恵子だが、世間の好奇の目にさらされ不当に犯人扱いされるいづみのため、彼女の無実を立証すると決意する。一方、猪狩は裁判の席でひょうひょうとした態度で言いたいことだけまくし立てると、傍聴席に戻り居眠りをし始める始末。しかし、いざとなれば証人に対して暴言を吐き、検察官・裁判官を煙に巻く猪狩の「法廷荒らし」は健在だ。理恵子はこの訴訟は猪狩に任せるべきだと思い始めるが、猪狩は理恵子の言い分に全く取り合おうとしない。敦史が手伝いをしていた司法書士事務所を経営する、いづみの大学時代の友人・須藤保とその婚約者・向井ゆりこの協力を得て、理恵子は調査を進めることになった。一方、猪狩もいづみが勤務していた高校の校長から、男の声でいづみと敦史の同棲を密告する電話があったことを聞き出した。