西村京太郎サスペンス「冤罪Ⅳ」
突然襲った冤罪という理不尽に立ち向かう大学教授の姿を軸に教え子の友人にかけられた殺人容疑の無実を証明する
突然襲った冤罪という理不尽に立ち向かう大学教授の姿を軸に教え子の友人にかけられた殺人容疑の無実を証明する
長野県警の元刑事・松本が殺害された。逮捕された容疑者は若杉教授の教え子・宇津木だ。彼は自分がやったと自供しているが、若杉は何かを隠していると感じ、若杉の娘・咲の親友で新聞記者の美津子と調査を開始。すると、11年前、殺人事件で逮捕された宇津木の親友・安藤の存在が浮かび上がった。現在、仮出所中の安藤を事件当時担当していたのが松本だったのだ。当時、安藤は無実を主張したが殺人犯として服役させられる。だが、妹・まやが白血病で骨髄移植を必要としていると知り、一刻も早く出所しドナーになろうと罪を認め模範囚になったのだ。そして今回も警察は松本を殺害したのは安藤で、宇津木が身代わりになっていると睨んでいた。まやの手術は2日後に迫っていて自分の骨髄を移植したいと安藤の悲痛な叫びに若林は警察で無実を訴えるよう悟し自分は更なる調査に動いた。また、釈放された宇津木は、11年前殺人現場に落ちていたペンダントを若杉に預かって欲しいと頼んだ。それは安藤がまやにあげたペンダントだったが、宇津木はそれを最近まで知らず安藤の物だと思い込み証拠隠滅の為にとずっと隠し持っていたのだ。若杉は病院に出向き、まやにペンダントを見せると殺害された男・横井に暴行された際、落としたとものだと打ち明けた。