「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#80 大地のキャンバス ナスカ(ペルー) 2011/11/11 O.A.

リマ

今回の旅の始まりは、南米大陸、ペルーの首都リマです。高層ビルが建ち並び、 多くの人や車が行き交い、街は賑やか。リマの事が知りたくて、まず訪れたのは、街を一望出来る、サン・クリストバルの丘です。展望広場から街を見下ろすと、土色の世界が広がっていました。実はリマの街、都市が造られる前は砂漠だったそうです。今も残る砂・岩・土の大地が都市を囲み、何だか不思議な景観を見せてくれました。
街を散策すると旧市街の中心地アルマス広場に出てきました。教会やヨーロッパ風のカラフルな建物が広場を囲んでいます。中心地を抜け、次に訪ねたのは民芸市場。所狭しと並ぶ小さな露店には、織物や刺繍、民族衣装などペルー全土から集まった民芸品が売られています。お店の人のお勧めは、ナスカのモノ。サルやハチドリ、クモなど「ナスカの地上絵」の模様が施された土器やお皿など、ナスカの品物がいっぱい。翌朝、リマの街を出発し「ナスカの地上絵」へと旅の始まりです。

オアシス ワカチナ

ペルーの海岸線に広がる広大な砂漠。ナスカへ進む道の途中で立ち寄ったのは 砂漠の中にある街、イカです。ブドウの蒸留酒「ピスコ」が名物らしく、酒造所を訪ねました。ピスコ作りは、16世紀スペイン人によりペルーにブドウが持ち込まれ始まりました。酒造所では、ピスコ作りの真っ最中。ブドウを足で踏みながら、ピスコの元になる果汁をとっていました。代々変わらないやり方でピスコを作る家族。アルコールの度数はちょっぴり高いけれど、ほんのり甘くて美味しいピスコを1杯ごちそうになりました。
酒造所の家族に教えてもらい、イカの人達の憩いの場「ワカチナ」と呼ばれる オアシスに向かいます。家族連れや恋人たちが泉の回りでゆったりとした時間を過ごしていました。周囲の砂丘に登ってみると、絵に描いたようなオアシスの風景が広がります。さらに、その奥にはどこまでも砂漠が続いていました。まるで静かな時間を包み込むような景色です。

ナスカの地上絵

ナスカ市街から車でおよそ5分、飛行場に到着します。
セスナ機に乗り込み、地上絵を見物できるフライトへ出発。眼下に広がるのは、広大な砂漠。
次第にサルやハチドリ、コンドルなど、シンプルだけれど力強い地上絵が次々と現れます。およそ2000年の時を超えて残されたナスカの地上絵。何のために描かれたのか、現在でも多くの謎が残っています。100メートル近い大きさの地上絵を見ていると、過酷な砂漠の大地に生きた人々の神秘に触れることができました。