「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#368 緑と水の楽園巡り(オーストリア) 2017/10/18 O.A.

音楽の都 ザルツブルク

今回の旅の舞台はオーストリア。緑と水の楽園を巡ります。旅の始まりは、音楽の都・ザルツブルク。岩塩の採掘と交易で古くから栄えてきた町で、中世の歴史的な景観が残る市街地は世界遺産にも登録されています。この町が生んだ大スターが、天才作曲家・モーツァルト。モーツァルトの銅像が立つ広場の周辺で、音楽を自由に表現する人々と出会いました。旧市街のメインストリート、ゲトライデ通りを進むと、“カフェ・モーツァルト”という名のお店を発見。気になって入ってみることに。おススメを注文してみると、「ザルツブルガーノッケルン」という名前の大きなスフレ状のお菓子が登場。ザルツブルクの3つの山をイメージしているそうで、なんでも16世紀ごろからザルツブルクの人々に親しまれてきたお菓子なんだとか。かつてモーツァルトも食べたかもしれない絶品スイーツを堪能しました。

世界で一番美しい湖畔の町 ハルシュタット

2日目、ザルツブルクから観光バスに乗って目指すのは、“世界で一番美しい湖畔の町”といわれるハルシュタット。人口800人ほどの小さな町で、町と自然が調和した景観が世界遺産にも登録されています。到着後、町に面したハルシュタット湖の畔を歩いていると、釣りをしている地元の人に遭遇。舟に乗って釣りに連れて行ってもらうと、大きなニジマスが釣れました。少し移動した場所から見えるハルシュタットの町並が特にきれいだというので向かうことに。湖の上から見ることが出来たのは、ハルシュタットの町が、山と湖と寄り添うように広がっている風景。透明な光に包まれたその眺めは、優しい水彩画のようでした。その後自宅に招いていただき、とれたてのニジマスを調理した絶品料理に舌鼓をうちました。
旅の2日目、最後のお楽しみが、夜のハルシュタット湖を小舟で巡る“ムーンライトツアー”。舟で出発してまもなく、ツアーの主役、月のお出まし。美しい月夜、漆黒の湖面に浮かび上がったのは、光をたたえた“さかさまの”町並。月の魔法にしばし見とれたハルシュタットの夜でした。

大自然の絶景 インスブルック

最終日は、大自然の絶景を目指して、オーストリア西部の都市・インスブルックへ。ハルシュタットからザルツブルクを経由し、鉄道でおよそ4時間半。インスブルックは冬季オリンピックが2回開催されたこともある、ウインタースポーツが盛んな町。地元のスキージャンパーに、インスブルックで一番の景色とおススメされたのがパッチャーコーフェルという山。ロープウェイに乗り、およそ20分。標高2247mのパッチャーコーフェル山の頂上に到着。そこで出会ったのは、近くのロッジで働いているという地元の女性。 この地方の郷土料理、“シュペック・クヌーデル”という団子料理をごちそうになりました。見せたい風景があるというのでついて行くと、目の前に広がっていたのは、2000m級の山々が連なるノルトケッテ連峰と、その麓に広がるインスブルックの町並を一望する絶景。雲が町をかたどるようにたなびき、ノルトケッテの山々が、その町を大いなる手のようにそっと包み込んでいました。音楽の都から始まったオーストリアの旅、それはまるで繊細なアコースティック音楽を楽しんだような心地よい旅でした。