「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#292 黄金のご来光 プー・クラドゥン(タイ) 2016/2/5 O.A.

バンコク

旅の始まりは首都のバンコク。中でもファッションや食のトレンドの発信地、「サイアム・スクエア」に来ました。この町にはチュラロンコン大学もあって、若い人で賑わっています。学生さんに流行の店を聞いてみると、葉っぱの形をしたお菓子が人気だとか。その店に案内してもらうことにしました。「カノムクロック」という葉っぱのような緑色でもちもちとした食感のお菓子が若者に大人気。案内してくれた学生さんに、お薦めの絶景を聞いてみると、プー・クラドゥンという山の朝日を教えてもらいました。特にこの時期は雲海も出る可能性があるとのこと。プー・クラドゥンは「タイの人が一生に一度は登りたい山」だそうです。今回の絶景はプー・クラドゥンの朝日に決めました。

プー・クラドゥン麓のパーノックカオ村

バンコクから夜行バスで8時間。東北部のパーノックカオ村に着きました。バス停でプー・クラドゥンの場所を聞いてみると、もう少し先の地区にあるとのこと。親切な村人に案内してもらいます。プー・クラドゥンは不思議な形をしていました。山頂が平べったく、台形をしています。それでも標高は約1200mで山頂まで5時間はかかるそうです。実は案内してくれた村人は、プー・クラドゥンで荷揚げの仕事をしている人。翌日、仕事で登るというので、一緒に登ることにしました。雄大に横たわるプー・クラドゥン。夕方、山陰に日が沈む頃、シルエットになったプー・クラドゥンが池の水鏡に写ります。昼間に見た雄大さから一転して神秘的な表情を見せてくれたプー・クラドゥンの風景に出会いました。

プー・クラドゥン

いよいよプー・クラドゥンへ登ります。登る道中で不思議な光景に出会いました。登山客の荷物や食料品などを両天秤に担いだポーターさんたちです。こういう人たちのお陰で身軽な格好で登山ができるようです。
登ること5時間。やっと山頂に着きました。山頂といっても一面の平面です。レンジャーさんによると山頂は60平方キロメートルもあり、売店やテントなどもそろっています。翌朝、日の出前の暗い中、テント村から約2キロ先の絶景ポイントを目指します。ご来光を見にすでに多くの人が集まっていました。そして暗闇の空がオレンジに変わる頃、いよいよ日の出です。雲から次第に登る朝日は、登るに連れてその色が黄色に輝きだしました。それはまるで卵の黄身のようにまん丸で真っ黄色。そして眼下には雲海も見えます。そして輝きが増すと、雲海を黄金に染めていきました。黄金の太陽とその光を反射するように一面は黄金の世界。神々しい風景はまるで天国に来たような気持ちになる暖かい絶景を見ることができました。