「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#284 虹の大地七彩山(中国) 2015/12/4 O.A.

蘭州

旅の始まりは、中国北西部甘粛省にある蘭州です。ここは、シルクロードの要衝で中国文明を育んだ黄河が流れています。玄奘三蔵がこの町で黄河を渡ったことでも有名です。そんな黄河を一望できる小高い丘を上がるとお寺を発見。千年以上この町を見守るチベット仏教の古刹白塔寺です。ここで、シルクロードを西へ向かうと七色の山があると聞き、早速鉄道に乗って向かいました。

冰溝山(ひょうこうざん)

七色の山がある張掖駅で下車。ここは、シルクロードの交易で栄えた歴史ある町なんだそうです。早速、観光会社を訪ねると、この張掖は丹霞(たんか)と呼ばれる赤土を多く含む土地で、美しい山の景観地がいくつもあるとのこと。翌日ツアーを組んで町から1時間程離れた丹霞地帯へ向いました。最初に立ち寄ったのは奇岩の山、冰溝山。地元ガイドによると、山道は昔シルクロードの交易路でラクダを連れたキャラバンが往来していたそうです。山道を30分程歩き展望台に到着。そこにあったのは“中国のルーブル美術館”と称される宮殿のような形をした奇岩でした。

七彩山

冰溝山を後に、旅の目的地である七彩山へ。山の麓で訪れた多くの観光客とともにバスに乗って展望台を目指します。たどり着くと目を疑うほど鮮やかでカラフルな七色の光景を目の当たりにしました。ガイドによると、遥か昔このあたりは塩湖の底で、鉄分を多く含んだ赤土が酸化。年代で水温や成分などの条件が変わるため断層ごとに違う色に変化したそうです。まさに自然の神秘です。その日、もっと七彩山の美しい景色を楽しもうと麓の村で一泊しました。宿の主人の話では朝日を浴びた七彩山は色彩がくっきりと見えてとても美しいとのこと。翌朝、日の出に合わせて七彩山に登りました。山の彼方から太陽が顔を出すと、山肌に柔らかな光を浴びた虹色が姿を見せました。それはまさに絵画。大自然が生み出した人知を超えた幻想的な山の景色に酔いしれました。