「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#9 野生の王国 ンゴロンゴロ(タンザニア) 2010/6/4 O.A.

アルーシャ

日本から20時間かけて降り立ったのは、キリマンジャロ国際空港。空港の入り口には動物の写真がたくさん飾られています。さすが、サファリ観光で人気のタンザニア。
まず向かったのは、高原の町アルーシャ。ここは国立公園や自然保護区への玄関口として有名な町。カラフルな服装の女性たちが行き交う、賑やかなところ。町の旅行会社で早速ツアーに申し込んで、200キロ先にあるンゴロンゴロ保全地域を目指します。

ンゴロンゴロクレーター

世界遺産となっているンゴロンゴロクレーターを有する、ンゴロンゴロ保全地域。クレーターを目指して、標高1700mにあるクレーターを囲む山を駆け抜けて行きます。さらに山を登り標高2286m。樹林が切れると眼前に直径21キロ、世界最大級のカルデラ、ンゴロンゴロクレーターが飛び込んできます。
標高差610mの急斜面の外輪山に囲まれたクレーターはまさに自然の円形シアター。ここでは、東アフリカにいる動物のほとんどが見られるそう。特に人気のある「ビッグ5(ファイブ)」と呼ばれる、ライオン、ゾウ、ヒョウ、バッファロー、サイの全部を見られるかどうか…
その他にも、イボイノシシやシマウマ、ガゼルにダチョウなどあらゆる動物と出会うことができます。ココは彼らにとって、まさに楽園なのです。

オルドイ・ニョ・レンガイ

ンゴロンゴロクレーターのような、野生動物を守る緑のクレーターを作り出したのは、実は、火山。そこで、現在も息づいている、火の山、オルドイ・ニョ・レンガイ山を登ってみることに。マサイの人々は「神の山」と呼んでいます。ここは2008年に噴火があり、2009年までは立ち入りが禁止されていました。もっと緑があった、という山肌には、噴火の痕跡が生々しく残っています。でも、灰の中から少しずつ、アカシアの木が芽吹き始めていて、生命の強さを感じさせられます。

標高2960mのレンガイ山は、火山灰と溶岩が堆積した急な斜面を持つ山。脆く崩れやすい足場を這いつくばるように登ること6時間。ようやく登頂。目の前には、2008年の噴火で大きな口を開けた深さ300mの噴火口。今なお噴煙をあげ、地面の温かさも伝わってきます。眼下に広がるのは、大地に刻まれた幾筋もの裂け目。この一帯も、いつか陥没してンゴロンゴロのような野生の楽園になるのかもしれません。