コラム
第5回
前半の不安を払拭し、後半に立てなおした日本が2連勝!

 重い流れを断ち切ったのは後半出だし、#52宮澤夕貴の3Pシュートだった。

 FIBA 女子アジアカップは大会2日目。日本はチャイニーズ・タイペイと対戦したが、試合出だしは堅さもあり、0-4とビハインドを追う。それでも第1Q中盤から本来の動きを取り戻すと激しいディフェンスからボールを奪っての速い攻め、特に#8髙田真希が速攻に絡み得点を重ねていった。だが、第2Qは一転、日本は立て続けにチャイニーズ・タイペイに得点を許してしまう。

 「前半はボールを全然回していない、カッティングもしていなかった。それは私のせいかもしれません。コールプレーが多かったです。それともう一つはエネルギーが少し足りなかったことで、重たくなりました」とトム・ホーバスヘッドコーチ。「苦しい時間帯はみんな一緒であり、そんな時こそ自分がどれだけ頑張れるかはいつも意識しています」と言う#10渡嘉敷来夢と髙田の2人が得点を挙げ何とかビハインドを最小に留めようと踏ん張っていたのだが、日本は悪い流れを断ち切れず。第2Qを僅か6得点となると、逆転を許して前半を終えることとなった(27-33)。

 迎えた後半、日本はシューターの宮澤に待望の3Pシュートが生まれる。しかも開始約2分で2本。チームとしても足を動かしたディフェンスと小気味良いパス回しからの攻撃で息を吹き返すと、#88赤穂ひまわり、渡嘉敷のドライブも効果的に決まり第3Qを終えて12点のリードを奪った。第4Qでも町田の絶妙なパスから得点を重ねた日本。最後は78-49で勝利した。

 「試合の出だしに私のシュートから入ることができず、弱いプレーをしてしまったことで自分たちのペースに持っていくことができませんでした。後半は、自分の仕事がしっかりできたなかと思いましたが、ディフェンスでもう少し身体を張って守るようにしていかなければならないと思いました」と、語ったのは宮澤。

 初戦では当日の体調不良により試合を欠場。復帰したこの試合では前半こそ調子を上げられなかったが、終わってみれば3Pシュート3本を含む15得点を奪取した。

 苦しみながらも最後は日本らしいバスケットでつかんだ白星。「本当にこの経験は大きいです。このようなゲームは心の部分が足りなければ、20点差を付けられて負けていたかもしれません。逆に、20点差以上をつけて勝てたことは本当に良かったです。ただ、この経験はもう十分で(第3戦目の)韓国戦は最初からいいバスケットをしたいです」とトム・ホーバスヘッドコーチは次を見据える。

 今大会は予選ラウンドでグループの1位になれば決勝トーナメントの準々決勝が免除となる。それだけに、明日の韓国戦に勝利し、準決勝に備える時間をしっかりと作りたいところ。渡嘉敷も「コンディションを整えられる時間をゲットできるように、明日は全力で戦いたいと思います」と力強く語っていた。

【写真】fiba.com