磯際に打ち寄せる荒波が岩に当たり、砕け散る。その白波が泡となり沖に向かって払い出す広がりを「サラシ」と言う。サラシの中は酸素が豊富で、プランクトンを集め、ベイトを寄せるため フィッシュイーターにとって絶好の餌場となる。ターゲットは、そのサラシの奥に潜むヒラスズキ。サラシの中にルアーを通して誘い出すこの釣りは、刻一刻と変化する自然環境を見極める洞察力が必要。今回、この釣りに挑むのは、幅広いソルトウォータゲームに精通するプロアングラーの鈴木斉さん。長崎県対馬を舞台に荒磯のファイターとの力戦奮闘を魅せる。

「磯の王者」「幻の魚」などの異名を持つイシダイ。賢さと警戒心、希少性の高さ、ハリ掛かりしてからの強烈な引き。そんな強さを持つイシダイを、近縁種のイシガキダイと総称して石物と呼ぶ。その石物に真っ向から挑む磯釣り師を、底物師という。今回は、全国の磯を釣り歩く生粋の底物師・中出一也さんの対馬釣行に密着。イシダイの釣り方のうち、遠投釣法の名手として知られる中出さん。遠投に適し、且つ魚影の濃さは日本屈指という対馬の磯で、その実力を発揮。こだわりが強い底物師の、独特の世界観を垣間見る。