#14 「風に吹かれて」ボブ・ディラン

出演者

  • ピーター・ヤーロウ(PPMメンバー)
  • オデッタ(フォークシンガー)
  • ダニエル・クレイマー(フォトグラファー)
  • マイケル・ライドン(評論家)
  • 菅野ヘッケル(ボブ・ディラン評論家)

放送内容

今回取り上げる一曲は、フォーク・ロックの先駆者、ボブ・ディランの「風に吹かれて」。
20世紀を代表する天才アーティスト、ボブ・ディラン。彼の初期を代表する一曲「風に吹かれて」はフォークの名作であり、この歌の持つメッセージに世界中の若者が共鳴し、現代に至るまで広く聴かれ歌われてきた。若き日のディランは、芸術家が多く集まるNY・グリニッジ・ヴィレッジで音楽活動を開始する。当時のグリニッジ・ヴィレッジを代表するフォーク歌手だったオデッタが歌う「競売はたくさんだ(No More Auction Block)」に影響を受けたディランは、名曲「風に吹かれて」を生み出す。オデッタは当時の印象を「ディランは私と良く似た感性を持った人」と話す。しかし、この曲が世間に知れわたったのはディラン自身が歌ったものではなくピーター・ポール&マリー(以下PPM)がカヴァーしたバージョンだった。PPMのメンバーで、ディランとはアーティスト仲間だったピーター・ヤーロウは当時を振り返り「初めて聴いた時からすぐにレコーディングしたいと思わせる曲だった」と明かす。その後のディランは、フォークのみならずロックの世界を切り開き、史上初のプロモーションビデオを制作するなど、まさに音楽界の歴史を作るオンリーワンのアーティストとして確固たる地位を築いていく。最後にピーター・ヤーロウはこう語る。
「『風に吹かれて』の価値や美しさは色褪せない。いまのヒットチャートに入っていなくても、世界中の人の心に、この歌はあるよ。」
他、ディランのジャケット写真を撮った写真家、ダニエル・クレイマーやボブ・ディラン研究家の菅野ベッケル氏にインタビューも。マニア必見の1時間。


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