#24   「盟友決裂」  2013年3月20日放送

#24 「西郷隆盛 VS 大久保利通」

#24 「西郷隆盛 VS 大久保利通」
#24 「西郷隆盛 VS 大久保利通」

薩摩藩の城下町鹿児島市加治屋町。幕末、この町に育った二人の幼馴染がいる。一人は西郷隆盛。官軍の総大将として江戸城を無血開城させた討幕の英雄。そしてもう一人は大久保利通。明治政府の重鎮として近代日本の礎を築いた大政治家。二人は若き頃より、盟友としてともに苦難を分かち合った。しかし、ともに成し遂げた維新から10年後、二人は命を奪い合うことになる。それは、日本が新たな時代へ向かう中で避けられない男たちの悲劇だった。今回は西郷隆盛VS大久保利通に迫ります!!

薩摩の英雄たち、その原点とは!?

同じ町で竹馬の友として育った二人の気質は幼き頃の家庭環境が作り上げたとも言われている。西郷の家は貧乏で子沢山、一枚の布団を七人の兄弟で使うほどであった。その中で長男として生まれた隆盛は質素を尊び、驕りを憎み、他人への思いやりと逆境に耐えぬく力を培ったと言われている。一方、大久保は下級藩士ながら祖父の代から琉球貿易に携わる役人の家だった。ところが藩のお家騒動により父が島流しになると掌を返したかのように取り巻き連中は去り、利通は借金を依頼する手紙を毎日書くほどの極貧生活に陥る。この経験から権力の非情さと権力を握らなくては何も出来ないことを大久保は身をもって知る。

#24 「西郷隆盛 VS 大久保利通」

新しき日本はどこへ!男たちの決断!!

新しき日本のため、その道をひた進む二人。そして慶応4年、戊辰戦争に勝利。そして10月、明治天皇が即位、元号が改められた。その後も、廃藩置県、版籍奉還と次々に改革を行って行く中、徐々に士族たちの不満が高まってゆく。そんな中、大久保は西郷に国政を任せ、岩倉使節団の一員として、欧米に旅立つ。残された西郷は、国民に等しく教育を受けさせる制度『学制』を定めるなど積極的に近代化政策を推し進める。そこに、朝鮮との間に事件が起きた。これが悲劇の幕開けとなる。明治最初にして最大の悲劇、男たちの別れ!朝鮮への派遣を巡って議論が分かれる中、西郷は親善大使としての派遣を唱える。それは了承されるかと思った矢先、欧米から戻った大久保らが猛烈に反対。西郷の意見は否決され、鹿児島へ戻る。これが二人の今生の別れとなった。戻った西郷は、鹿児島の士族たちの不満を抱えるようにして明治政府を相手に西南戦争を起こし、その中で死を迎える。明治政府の中心として残った大久保も8ヵ月後、不平士族に暗殺される。二人の死は、旧時代から新時代へのはなむけであったのかもしれない。

高橋英樹の軍配は…

どっちが好きか、という点では、やっぱり私は(大久保のように)冷徹にはなりきれません。西郷さんの持っているおおらかさ、ふくよかさというものは、日本人はどうも捨てきれないものですよね。これは銅像の数でもわかるように…西郷隆盛!