THEナンバー2

毎週月曜22時オンエア

綺羅星の如く、日本史を彩る名将たち。 私たちがよく知る歴史の表舞台、 その陰には常に「ナンバー2」の存在がありました。いわばそれはもうひとつの「歴史物語」。

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大岡越前

ゲスト:童門 冬二


幾度となく繰り返される冤罪。検察の証拠改ざん。裁判員制度の導入など司法のあり方が大きく問われる昨今。そんなとき、もしあの名奉行がいてくれたら…。
江戸時代より、その名裁きぶりは「大岡政談」として講談や落語、テレビドラマなどで現代まで語り継がれ、公正で人情味のある判決は「大岡裁き」と形容されるほど有名だった江戸町名奉行、大岡越前。しかし、この「大岡政談」、大岡越前とは無関係のものだったのです。では、はたして大岡越前の真の功績とは…
名奉行、大岡越前の知られざる真実に迫ります。

ナンバー1は超有名なあの将軍

ナンバー2、大岡越前が有名なら、ナンバー1もまた超有名なあの将軍・・・砂浜を白馬で駆け抜け、自ら事件を解決・・・暴れん坊将軍でおなじみの第八代将軍、徳川吉宗です。実は大岡越前を江戸町奉行に大抜擢した人物こそ、徳川吉宗なのです。吉宗が将軍になる前の紀州藩主時代に、既に大岡の仕事ぶりは吉宗の耳に届いていたと言われています。


江戸町奉行、大岡越前

「本日のお白州これまで!!」
そんなお裁きのイメージが強い江戸町奉行ですが、その仕事は多岐にわたりました。現代で言えば、東京都知事、警視総監、消防総監、地方裁判所裁判長を合わせたような役職。実はかなりの権限を持った地位にあったのです。そして、大岡越前は、吉宗の行った享保の改革の大きな支えとなるのです。

大岡なくして改革なし

享保の改革の中でとりわけ評価の高いのが、貨幣政策。小判の大転換を行いました。
吉宗は当初、小判の質の低下を幕府権威の低下、と捉えたため、享保小判という高品質な小判を用いていました。しかし、質の高い小判の登場で貨幣の流通量が低下し、経済はデフレの状態に…。そんな状況に、大岡越前は進言します。質にこだわらず小判の流通量を増やすべきだ、と。そして、金の含有量を半分にし、質を落とした元文小判へと転換したのです。これにより、貨幣の流通量は増加、デフレは解消され幕府経済は安定していきました。

大岡越前はとにかく、実際に役立つ「実学」にこだわります。その姿勢こそがまさ「大岡裁き」そのものだったのです。


現存する肖像画の大岡越前は 毛抜きでヒゲを抜きながら(!)お裁きをする
白髪交じりの好々爺。生活感ありすぎです★
そして 大岡裁きといわれるものはほとんど大岡裁きではないとか。
実際の大岡越前は 吉宗の信頼を得て江戸町奉行として江戸町火消しや小石川療養所
など市民の生活に密着した政策を実行。こうした市民生活に身近な政策が
人気のもととなり「大岡裁き‘伝説‘の誕生」に結びついたのでしょうね。