修験道の信仰と温泉療養が結びついた珍しい例。鳥取県三朝温泉は、世界屈指のラドン泉で知られます。付近には1300年前からの修験道の聖地、三徳山がありましたが、大正5年に湯中にラドンが発見されて湯治客が激増し、修行の山であった三徳山にも登るようになりました。三朝温泉の奇祭「三朝のジンショ」は、まるで修行のような綱引きをする神事。太い藤カズラで作った総重量4トンもの綱を引く様は圧巻の一言です。
明治維新以降、奇跡ともいわれる近代化を果たした日本。それを可能にしたのが「教育」でした。支配者層である武士のみならず、多くの庶民も読み書き・算術ができ、礼儀正しさを身に付けるなど、高い教育水準を示しました。藩校や郷学、私塾など、様々な階層を対象とした学校が普及していたことが大きく影響しています。学問・教育に力を入れ、礼節を重んじる日本人の国民性、その源流にある「教育遺産群」を紹介します。