#79 「晩春きらめく秘峰 武尊山」(6月27日 放送)
群馬県北部、奥利根にそびえる日本百名山の一つ、武尊山(ほたかやま)。標高は2158m。独立峰であるこの山は、古くから修験の山として人々に崇められてきた。北アルプスの穂高岳と区別して「上州武尊」とも呼ばれる。
主峰の沖武尊を中心として、前武尊、家の串山、中ノ岳といった2000mを超える峰が連なり、深田久弥はその山容を「その大きな壁全体として私たちの眼を驚かすのである」と表現している。
登るのはイラストレーターの坂本大三郎。出羽三山で修行した山伏という顔ももつ。山に寄り添いながら生きる坂本が、春の霊峰に挑む。
【 ロケ日: 5月25日~5月28日 】
厳しい冬が終わり、山が衣替えをするこの時期。武尊山は新緑に包まれた麓から、雪渓の残る山頂付近まで、美しいグラデーションを見せる。
樹林帯を抜け稜線にでると、爽やかな春風を感じることができる。そこでは至仏山、燧ヶ岳、皇海山、そして谷川岳といった名山たちが、急登を超えてきた坂本を迎える。
シャクナゲやサクラ等、この時期ならではの鮮やかな花々や、かつて修験者が挑んだ岩壁等、その道は変化に富み登山者を飽きさせることがない。
そして早朝、坂本は知る人ぞ知る絶景ポイントへ。眼下に広がる雲海の彼方から朝がゆっくりと顔をだすとき、坂本は何を感じるのだろうか。
ロケ中、分岐点で休憩していると、坂本さんがするすると別ルートへ。
そしてほぼ直角にそびえる岩壁をよじ登りだしました。ガイドさんらも続きます。
山の男たちはすごいなぁ、そして今回の撮影ルートがあちらでなくてよかった、と下から見ていると
「やっぱりここからも撮影しよう」とディレクター。
登山三回目で高所が苦手な自分もガイドさんの手を借りてなんとか登りきり、
断崖絶壁の上から絶景を見ることができました。
上では終始四つん這いだったことは言うまでもありません。