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2014年11月29日放送

今週のドル円相場は、狭いレンジでのもみ合いとなった。25日に、一時、118.59円までドル高円安が進んだが、その後は上値を切り下げる展開。26日には米新規失業保険申請件数をはじめ、10月米個人消費支出や10月米個人所得が市場予想を下回り、更に、11月米シカゴPMIや10月米住宅販売保留指数なども弱い結果となるとドル売りが強まった。月末に絡む本邦輸出勢のドル売りも断続的に観測され、27日には一時、117.24円までドル安円高が進んだ。しかし、OPECが減産見送りを決定したことで再びドル買いが強まり、118円台を回復している。

25日にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の9月末時点のポートフォリオが明らかになった。そこからは、日本国債の売却と円売り圧力とが断続的に出てくる、という状況にあることが確認できる。そのGPIFの具体的な資産構成だが、国内債券が49.61%、国内株式が18.23%、外国債券が12.14%、外国株式が17.41%となっている。これらを、10月末に公表した新しいポートフォリオの目安、35%、25%、15%、25%へと持っていくためには、まず、日本国債を約19.1兆円売却しなければならない。そして、株価や為替水準によって変動するが、一応の目安としては、日本株へ約8.8兆円が流入する一方、約13.6兆円分の円売りが為替市場に持ち込まれることになる。これは9月末時点での数字を基に計算したものだが、かなりの資金移動が起きることになる。

また、それが、どれぐらいの期間をかけて行われるのかがはっきりしていない。ただ、米澤GPIF運用委員長は「ポートフォリオが乖離率内になるまでに長くても1年はかからない」との見解を示している。

来週のドル円は引き続き底堅い動きとなりそうだ。12月2日に総選挙が公示されるが、世論調査なども相場を動かす要因となる可能性がある。一方で、本邦実需勢や本邦長期資金の買い意欲は依然として強い。ドルの上値では、20日の高値118.98円が、目先の目処として意識されている。ドルの下値では27日の安値117.24円がとりあえずの目処として意識されているほか、19日の安値116.81円や18日の安値116.33円がサポートレベルとなっている。また、週末には、11月米雇用統計が控えている。数字次第では大きく乱高下しそうだ。

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