今週はポルトガルへの警戒感が広がった。ギリシャの債務削減交渉の難航から、既に国際通貨基金(IMF)などからの支援を受けているポルトガルでも債務削減に追い込まれる可能性があるとの懸念が強まったのだ。今週初めには、10年債の利回りが17%を突破することとなり、1999年のユーロ発足以来の最高水準となった。
その後は「ギリシャほどは悪くない」との見方から少し下落しているものの、高水準に位置していることに変わりない。
そして火種となっているギリシャは、依然として問題解決が遠い。各国要人や報道機関がギリシャの債務交渉について言及しているものの、明確な解決策が示されているわけではない。マーケットはギリシャ問題の難航をある程度想定しているため、ユーロ相場は大きく崩れてはいないが現在の状況でユーロを買っていくのはかなり厳しいだろう。ユーロは引き続き難しい局面に立たされている。
ドル円は1月24-25日のFOMCで金融緩和の長期化が示されたことで、ドル安が進みやすくなっている。一方、ユーロは欧州の債務問題が引き続き根強く意識されることで、ユーロ安が進みやすくなっている。