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2010年10月23日放送

中国国家統計局は15日、主要70都市の不動産販売価格(9月分)を発表した。結果は、16ヶ月連続のプラスとなる前年同月比9.1%の上昇。前月比でも0.5%の上昇で、4カ月ぶりにプラスに転じた。

12日には一部の大手銀行を対象に、広義の金融引き締めである預金準備率の引き上げを行ったが、この措置の必要性を裏付ける結果となった。また、19日には金融機関の貸し出しと預金の基準金利(期間1年)を0.25%引き上げることを決定。中国では中央銀行が直接、預金・貸出金利を操作する形を取っているため、これは先進国でいうところの政策金利引き上げに該当する。

今回の利上げは2007年12月以来2年10ヶ月ぶりで、期間1年の基準金利は、貸出が5.56%、預金が2.50%となった。市場は、この予想外の決定に驚いた。

今回の金融引き締めの背景には、再び過熱感が見られている住宅価格や、消費者物価を抑えこみたいとの思惑がある。実際、今週21日に発表された消費者物価指数は、前年同月に比べ3.6%上昇。2008年10月に記録した上昇率4.0%以来、1年11カ月ぶりの大きなプラスとなっただけでなく、中国政府が年間の抑制目標としている「3%」を3カ月連続で上回っている。

また、同日に発表された7-9月期のGDP(実質)は前年同期比9.6%増となっていて、4-6月期の10.3%よりは鈍化したものの、依然、強い数字を維持している。

一方、中国の株価は非常に堅調な動きをみせている。今週18日には、4月23日以来となる3000ポイントをつける動きも見せた。

先進国が緩和的な金融政策を行っていることで金余りの状態となり、その資金が新興国に流れ、まさに流動性相場となっている。中でも、今月に入ってからの中国株の上昇は著しく、今後もしばらくの間、先進国で金融緩和が継続されるであろうことを考えると、中国の株価の先行きは、比較的しっかりしたものとなりそうだ。

大分ドル売りポジションが積み上がっているが、米国の追加金融緩和への期待から、基本的なドル安基調に変化は見られない。ドル円は安値圏で張り付いた動きとなっているが、上値が重い状況が続きそうだ。

また、ドル安相場のため、クロス円の方向感が出にくい状況も変わらない。ユーロ円は今週ももみあうことになりそうだ。

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