RBA(オーストラリア準備銀行)は今月6日、0.25%の利上げを実施し政策金利を3.25%に引き上げることを決定した。市場では、一部で利上げが予想されていたものの、大半は据え置きを予想していたため、豪ドルが買われる結果となった。また利上げ発表後、スワン豪財務相は「豪経済は他国の経済より優れている」「豪経済が回復し始めていることは疑いようがない」「RBAは追加利上げの可能性を示唆した」などと発言し、豪経済に対して強気な姿勢を示している。
8日に発表された豪雇用統計は、豪高官の発言を裏付けるものとなった。新規雇用者数は市場予想の-1万人に対して+4.06万人。失業率は予想6.0%に対して5.7%となり、共に市場予想をいい意味で裏切る結果。また2007年後半からの推移を見ても、失業率の上昇が鈍くなっている様子が伺われ、雇用統計は月ごとのばらつきがあるとはいえ、2007年11月以来の増加幅となっている。オーストラリアは、資源輸出が主要産業であるため、他国の景気が回復しない中で一人勝ちが続くとは考えにくいが、サブプライムローンなどによる金融機関の毀損が少なく、他の先進国に比べて景気回復は早くなると考えられる。当面、強めの展開が続きそうだ。
今週、英インディペンデント紙が「アラブ諸国は中国、ロシア、日本、フランスと極秘に原油取引での米ドル利用中止に向けて協議している」と報じてドルが売られた。ドルの信認低下が意識されるニュースが出てきている。今すぐに決済通貨が変わるとは考えられないが、基本的にドルは売られやすい環境にある。ドル円は87円を下へ抜ける可能性が十分ありえる。これに対してクロス円は、方向感が定まらず、ユーロ円は右往左往することになりそうだ。