オーストラリアに回復の兆しが出てきている。今週発表された四半期住宅価格指数は前期比でプラス4.2%となっており、前期比ベースで昨年第4四半期以来の伸び率。また新規雇用者数はプラス3.22万人となり、予想の-1.8万人を大幅に上回った。加えて4日のRBA声明では「金融政策に緩和余地がある」の文言を削除しており、利上げについては言及していないものの、経済状態の改善がいたるところから感じられる。
オーストラリアが回復基調にあるのは、貿易先として関係の深い中国経済が、堅調であることが一因。中国は約4兆円相当の景気刺激策が功を制し、株価は年初来高値を更新中。結果、中国の需要拡大から資源価格も上昇し、その恩恵をオーストラリアは受けている。中国の株価は高値圏にきており、今週は、少し値を下げる動きも見られるなどまだ注意は必要。しかし、そうはいっても中国の株価が急速に値を崩す前触れも今のところは見られず、また資源価格もしっかりしているため、他の先進国と比べてオーストラリアはやや優位に立っていると言える。
今週はISM製造業景況指数や、住宅販売保留指数などが予想を上回ったことが米ダウの下値を支え、クロス円も底堅い動きを見せた。米ダウが安定している限りは、クロス円も安定した動きが続くと考えられる。