ここに来て、各国の株価が堅調な動きを見せている。新興国、とりわけ中国は顕著で、30%近い株価上昇を見せている。年初からの騰落率を見比べると、その差は一目瞭然である。
中国の株の上昇にはいくつかの背景がある。まずは、原油価格の堅調な動きだ。これを好感してペトロチャイナの株価がしっかりした動きをみせている。
その他、小売売上高に回復の兆しが見られたり、50数兆円の景気対策も市場の安心感を誘い、株価上昇に寄与している。もっとも、懸念材料もある。消費者物価指数にはデフレ傾向が見られ、小売が伸びていても、単純に景気が伸びていくとは言えない状況。また原油価格も60ドルを超えてさらに上昇が続くとは言い難いのではないか。
米小売売上高の悪化や、ユーロ圏のGDPが前期比で-2.5%になるなど、弱気材料が見られる。一方的に売り込まれる環境ではないが、下落リスクが高まっていると考えられる。