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2007年9月15日 放送

先週紹介したドルの短期金利市場は、その後も高止まり状態にあるものの徐々に低下傾向に入ってきている。

今週は、各企業の資金調達に影響が出るのではないかという懸念が持たれていたが、米大手住宅会社カントリーワイド社が「新規の借り入れ資金を確保できそうだ」と発表するなど、今のところ各金融機関、企業とも目立った影響は見られない。また、CP市場が縮小傾向にあるものの、格付けの高いCPには投資家の購入意欲が戻ってきている。

金融市場の混乱を端的に反映している米国株式市場も、資金市場が落ち着きを取り戻しつつあるのを好感し、今週は堅調に推移した。NYダウも今年の5月頃の水準である13000-13500ドル近辺で安定しつつある。また、7月の混乱以来、米国株式市場に連動して動いている円相場も株価の安定に呼応するように落ち着きを取り戻し、徐々に円安傾向に戻ってきた。

来週は日米で金融政策に関する会合が開かれる。米国では18日にFOMCが開催されるが、短期政策金利の引き下げを実施するとの見方が大勢を占めていて、今回の焦点は引き下げ幅が0.25%に留まるか0.5%実施されるかという点になってきている。

市場関係者の間では、0.5%の引き下げが実施されるのではないかという見方が多いが、市場が安定してくれば、引き下げ幅が0.25%に留められる可能性も出てくる。また、日銀は19日に金融政策決定会合を実施する。

8月の会合では金融市場の混乱に配慮して金利の引き上げが見送られたが、今回も金利を据え置く可能性が高い。

一方、サブプライムローンとは別の問題もある。それは、原油価格の高騰である。今週WTI原油価格は1バレル80ドルに達し、年初来高値を記録した。原油価格が高騰すると各国へのインフレ圧力となる。

FRBは市場の安定化のために、金利の引き下げを実施する予定ではあるものの、米国のインフレ率は依然高止まりしており、原油価格の高騰がインフレ率を更に上昇させる可能性もある。FRBは今後、景気の安定とインフレの沈静という2つの課題に取り組まなければならない。状況が悪化すればスタグフレーションの可能性すらでてくる状態にあり、今後FRBの手腕が問われることとなろう。

来週の注目はFOMCである。今回のFOMCで金利引き下げを実施され、それを市場が好感して株価が堅調に推移すれば、一旦今回の市場の混乱は収拾に向かう可能性が高くなってくる。次の山場は10月の米国企業の四半期決算の発表時であろう。依然、方向感はないものの、徐々に円安方向に向かう1週間になる公算が高いと見ている。.

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