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2007年5月12日 放送

来週から日本の金融政策に関して、重要なイベントが目白押しである。まず、5月17日に07年第一四半期GDP速報値が発表される。現状、市場予想は前期比で+0.7%、年率で+2.7%となっているが、2月に利上げを実施したときは、06年のGDPが強かったことが利上げの1つの要因となった。そういう意味において、17日のGDPの結果は今後の日銀の金融政策に大きな影響を与える可能性があるため、注目したい。ここで、予想を大きく上回る結果となれば、翌月の15日に実施される金融政策決定会合で追加利上げが実施される可能性がでてくる。

しかし、利上げにはもう1つ超えなければならないハードルがある。それは、物価の下落傾向が終焉するということ。たとえ成長率が高くても、物価が下げ止まっていない状況では、早期利上げを実施するのは困難かもしれない。25日に発表される4月の消費者物価指数が少なくとも前月の-0.3%よりは上昇していることが絶対条件となってくるのではないかと考える。

市場関係者の中では、日銀の次の利上げは8月から10月にかけてであろうという見方が大半である。しかし、早期利上げの可能性も否定できないため、当面状況を見守りたいという投資家は多い。そのため、4月以降、各金融市場では方向感のない揉み合い相場が続いている。国内の株式市場も企業業績は好調であるにも関わらすレンジ相場が続き、日経平均もここ1ヶ月ほど17000円台で動きが止まってしまっている。

為替市場も同様である。国内の重要イベントが控えていることで、投資家も様子見気分が強い。円の要因が不透明なことに加え、米国経済もここに来て強弱入り混じった指標が発表されたために、米ドルの方向感もなくなっている。そのため為替市場全体に不透明感が広がり、3月までは大きな動きをみせていたドル円相場も119円台から120円台という非常に狭いレンジの中での動きが続いている。

市場関係者の予想を見ると来週は円高を予想している人が多い。17日のGDPが予想より強めの数字がでることを期待している関係者が多いことが要因となっている。いずれにしても相場の行方が指標次第というところであろう。仮に指標が予想からあまり外れていない結果となった場合は、再び膠着相場に入ってくる可能性が高そうだ。

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