2007年 3月17日の放送


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昨年の4月21日のG7で、IMFが世界の経常収支のアンバランスの解消のためにドルの調整が必要かもしれないという問題を提起をした。これを受けて、急激な円高が進行。4月下旬から5月初旬にかけて、1ドル=119円台から108円台後半まで一気に10円程度のドル安円高となり、円は他の通貨に対しても全面高の展開となった。


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こうした急激なドル安円高が進行する中、外国人投資家による株式投資への徴税強化を発表したインドで株式が急落、世界の金融市場全体に大きな影響を及ぼした。米国株式市場も少し送れて下落し、その後約1ヶ月間下がり続けた。結局、更に2ヶ月間ほど安値での値動きが続き、市場が再び上昇に転じたのは、7月に入ってからとなった。

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昨年春のグローバルな金融市場全体の混乱は、為替市場でのドル安円高がきっかけとなったが、今回の混乱は中国株式の急落に始まる株式市場の混乱に端を発している。その後、市場はやや落ち着きを取り戻したものの米国株式市場の下落からの回復が弱く、市場は依然不安定な状態から抜けだしていない。

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昨年春の市場の混乱は、その後やや時間はかかったものの、最終的にはしっかりとした回復を見せ、夏場を過ぎてから、米国株式を中心に上昇基調に入っていった。しかし、今回は状況がやや異なるようである。政策金利が5.25%と高水準にあることから、住宅市場の冷え込みが大変懸念されている。グリーンスパン元FRB議長は、サブプライム住宅ローンの返済遅延率の急増が今後他の分野に波及する可能性を指摘している。こうした米国経済のアキレス腱が今回は株価の上昇を抑える可能性もでてきた。

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為替市場も株式市場の動きに連動する形で上げ下げを繰り返している。円金利が低水準で推移する間は円安の圧力は依然続くと考えるのが自然であるが、米国株式が低迷すれば、ドルに下落圧力がかかり、更に世界の金融市場全体に信用収縮という悪影響がでて、円のキャリートレードの解消による円高というシナリオも現実味を帯びてくる可能性は否定できない。

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TS指数を見ると、市場関係者の予想も中立となっている。ここのところ株価も上下動を繰り返し方向感がでてこない。為替相場もそれに連動する形で、レンジの中での動きとなっている。来週も大きな材料のない中、今週のような展開が続くであろう。ただし、3月の決算期に向けて、来週後半より輸入企業の長期予約のドル買いが集中して発生する可能性があるため、週後半からはやや円安に向かう展開も視野に入れておきたい。