2007年 3月10日の放送
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先週、中国の株式市場の急落から世界の金融市場が大混乱に陥った。各国の株式市場も連鎖反応的に下落を続けていたが、今週に入って市場も徐々に落ち着きを取り戻し、各国の株式市場も一旦底入れを見せる展開となった。日経平均も一時1万6千円台半ばまで下落する局面もあったが、週末にかけて上昇し、1万7千円台にまで回復してきている。
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株式市場が落ち着きを取り戻すのに歩調を合わせて、為替市場も円高傾向に歯止めがかかった。円キャリートレードの解消による円買いを恐れ、短期投機筋が一斉に円買いに走ったが、そうした動きは一巡。更に、株式市場も回復してきたことから、徐々にではあるが円安傾向に戻ってきている。
今回の市場の混乱により、各国の株式市場も為替市場もほぼ昨年12月初旬のレベルにまで戻った。結果的には昨年12月からの株高・円安の流れを調整した動きであったということができるであろう。
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市場が混乱している中にあっても、先進国各国はインフレ抑制のために利上げを継続している。3月7日欧州中央銀行(ECB)は事前の予想通り0.25%の利上げを実施し、短期政策金利を3.75%とした。また、ニュージーランドも同日、短期政策金利の0.25%の引き上げを実施した。
2月21日に日銀は0.25%の利上げを実施したが、各国も利上げを継続しているため、金利差は結果的には縮まってはいない。金利差が為替レートに影響を及ぼすのであれば、日銀の利上げによって円高というシナリオはまだ先のことになるかもしれない。
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ただし、円高リスクが残っていないかと言えば、そうとも言い切れない。先週から今週にかけて、グリーンスパン前FRB議長が、今年後半に米国が景気後退へ入る可能性を示唆した。長期金利市場を見ると、1月後半までは、好調な消費動向などを背景に利下げ観測が大きく後退し、金利が上昇していた。
しかし、2月以降に発表された米経済指標が次々と事前予想を下回ったために、利下げ観測が再浮上し、長期金利も昨年12月の水準にまで下がってきている。今後、米国株式市場が崩れるようなことがあると、市場に新たな混乱が生じる可能性も残されている。
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市場の混乱は一旦、収まったように見えるが、その後遺症は当面残るであろう。今月は国内機関投資家の決算期に当たるため、円安局面を待って海外からの資金還流による円買いが発生する可能性もある。
来週は、株式市場の動向に注目しながら不安定な動きを続ける展開を予想している。ドル円も115-118円を中心としたレンジの中での神経質な展開となりそうだ。