2007年 1月13日の放送
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11日の東京外国為替市場で、ドル円が120円を突破した。2005年12月以来、1年1ヶ月ぶりの水準である。今年に入ってから、原油価格が急落したり、日経平均株価が乱高下するなど、金融市場が混乱していた。為替市場でも、欧州通貨やオセアニア通貨で円高が進む局面もあったが、ドル円に限っては非常に安定した動きを見せながらも、じりじりと円安になってきている。
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こうしたドル円の背景としては、日米の金融政策に関して、市場の認識が変化してきたことが挙げられる。まず、日本の金融政策に関しては、1月18日に行われる金融政策決定会合での利上げの可能性がかなり高くなってきた。金融市場も年初め数日こそ混乱していたが、その後落ち着きを取り戻していることから、利上げをかなり織り込んできたものと考えられる。むしろ、市場の注目はその次の利上げがいつになるかに移ってきている。
7月に参議院選挙を控えていることから、たとえ1月に利上げの実施があったとしても0.5%という依然超低位の金利水準が続くことに変わりはなく、「低金利→円安」のシナリオが再浮上してきている。
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米国の金融政策に関しての見通しにも変化が見られる。専門家の多くが、今年前半にFOMCは利下げに踏み切るのではないかと予想していた。金利市場を見ても、春先の利上げをかなり織り込んだレベルまで低下していた時期もあった。しかし、ここに来て様相が変化している。
5日に発表された米国雇用統計では非農業部門就業者の伸びが、景気の節目といわれる15万人を2ヶ月連続で超えた。今週発表された失業保険申請者数も30万人を割れこんだ。こうした雇用環境の改善傾向によって、利下げ期待が大きく後退している。
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こうした強気経済指標を受けて利下げ期待が後退、長短金利が上昇している。米国債10年物利回りは4.7%を超える水準にまで上昇。こうした金利市場の動きに歩調を合わせる形で、ドルはほぼ全通貨に対して上昇しており、こうした動きもドル円の上昇に拍車をかけることになっている。
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TS指数を見てみると、市場関係者も更なる円安を見ている人が多い。昨年、どうしても抜けられなかった1ドル=120円を上抜けしたことで、市場のドル高円安期待が高くなっている。しかし、円安予想にも関わらす、高値警戒感からドル買いに慎重になっている関係者も多く見受けられる。今回のドル高円安に対して、市場の準備が十分にできていない可能性もあり、仮にそうであれば、まだ上昇の余地はありそうだ。今後の米国経済指標に注目しておきたい。