2007年 1月6日の放送
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2007年の為替相場も前半は基本的には金利相場が継続すると予想される。ただ、今後円安が極端に進行したりすれば、相場の過熱感を止めるために国際協調が合意される可能性も高まってくるため、注意が必要となってくるであろう。当面の重要なイベントとしては、1月17,18日に実施される日銀の金融政策決定会合、1月30,31日に実施される米国のFOMC、更には2月上旬にドイツのヘッセンで開催されるG7会議などに注目しておきたい。
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日銀が1月の政策決定会合で金利の引き上げを検討すると1月1日の朝刊紙で報じられたことや、武藤日銀副総裁が利上げに含みを持たせる内容の発言をしていることが市場の注目を集めた。こうした動きを受けて、正月明けの東京市場では長期金利が上昇し、10年物国債金利で昨年11月以来の1.7%台に乗せている。
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一方のアメリカであるが、こちらは判断がかなり難しい。年初に発表された12月開催分のFOMC議事要旨の中身を見てみると、インフレに対する強い懸念を依然最大の関心事と捉えている。その一方で、景気の下振れリスクが従来よりも高まっていることを認めている。また、メンバーの1人が利上げ・利下げ両方の可能性を明記する必要があるという提案をしているが、これはFRB自体が、次の金融政策の変更は利上げか利下げか迷っているという証左であるとも取れる。
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年初に入ってから、商品相場が大荒れの展開となっている。原油市場では1月3,4日の2日間で5ドル以上の下落を見せた。米国が暖冬で原油の需要は減るという見通しが下落要因となっていて、2日間の下落幅は昨年5月以来の大幅なものとなった。原油価格がこのまま下落すれば、インフレを抑制する方向に働くため、米国のインフレ圧力も和らいでくる可能性もある。今後の動向から目が離せない。
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日銀の利上げ観測でやや円高の展開となっている。昨年3月の量的緩和解除の時や7月の0.25%利上げ実施時も2-3週間前から円高に振れる展開だった。しかし、3月も7月も会合当日へ近づくにつれ、徐々に円安に戻った。今回も同様と考えれば、円高も一時的となる可能性が高い。来週前半までは円高圧力が続くこともあるかもしれないが、その後は相場も徐々に落ち着いてくると予想する。