2006年 10月28日の放送
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10月25日、米国でFOMCが開催され、短期の政策金利を5.25%に据え置くという決定をした。FOMCでは2004年8月より継続的に利上げを実施してきたが、今年8月に利上げを休止。今回で3回連続の据え置きとなった。声明文を見ると現状の景気の減速を認識したうえで、今後の経済成長率も緩やかであるという認識を示しており、当面金利を据え置く方針を匂わせている。
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声明文にあるとおり、現状の米国景気減速の大きな原因の1つとなっているのが、住宅市場の低迷である。今週発表された9月の米国中古住宅販売件数は618万戸と減少傾向を更に鮮明にしている。米国では、所得に応じて住宅を買い替えていくという購入パターンが一般的で、その点で中古住宅の販売状況は米国景気を占うに重要なものの1つである。このまま中古住宅市場の下落傾向が続くようであれば、米国の成長率も今後減速していくという可能性が十分にでてくる。
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また米国は,元々経常収支の悪化という潜在的なリスク要因を抱えている。2004年の後半から赤字の拡大傾向が始まり、その後赤字幅は確実に拡大してきている。ここ2期ほどは赤字幅の拡大が収まっているものの、水準的には非常に高いレベルに留まっている。今後の景気状況によっては、こうした潜在リスクが顕在化し、大きなドル安を誘引する可能性も秘めている。
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こうした、足元の景気減速、潜在的なリスク等とは裏腹に米国の株価は史上最高値を更新し続けている。企業業績が比較的堅調な中、FOMCの金利据え置きを好感する形で上昇を続けていて、当面はこうした傾向が継続しそうなムードではある。しかし、上昇の幅が大きくなればなるほど、その先に大きく反落する可能性が高くなるという側面もある。今後の上昇のスピードに注意をしておきたい。
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TS指数を見ると、今週は円高を予想する人が増えている。基本的にはもみ合い相場が続きそうであるという認識は変わらないものの、ここのところの円全面安の展開をしている関係者が多く、それが円高予想につながっている。しかし、大きな円高になる材料も特には見当たらないため、基本的にはレンジの展開が依然続くと予想している。