2006年 9月30日の放送


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 9月19日からポールソン米財務長官が訪中し、胡錦濤国家主席、恩家宝首相ら共産党幹部と次々に会談した。内容は明らかにされていないものの、その後のポールソン米財務長官の発言等を聞いている限り、何らかの合意がなされた可能性が高い。グラム、シューマの両上院議員らが、中国に制裁関税を課す法案の可決を目指しているが、ポールソン米財務長官は、帰国後の会見で、この法案に批判的な発言をしており、中国との経常収支不均衡問題解決に対して、時間をかけて取り組む姿勢を見せている。


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 また、人民元の上昇スピードがここにきて加速している。ポールソン米財務長官訪中に合わせる形で、上昇の速度が速まったが、会談終了後も上昇傾向が続いている。今までのケースでは、こうしたイベント前に上昇したあと、イベント後は上昇が止まるケースが多かったことを考えると、中国側がアメリカに対して、上昇のスピードを徐々に速めていくという意向を示したとも推測できる。

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 また、中国は今年に入って金融引き締め政策を取ってきている。中国政府は、ここのところの景気の過熱感、特に過剰設備投資を懸念しており、中国人民銀行では今年の4月と8月に貸出金利を引き上げ、加えて預金の準備率も段階的に引き上げている。

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 こうした金融の引き締めと人民元の上昇は、景気の減速効果を伴うことは言うまでもない。GDPの成長率などは依然高いものの、こうした環境の変化の影響も徐々にではあるが出始めている。特に金利の上昇が消費マインドに反映してきており、今後、国内の消費が低迷し、中国経済全体が一時的ではあるものの減速する可能性がでてきた。アメリカ経済の減速に加え、中国経済まで減速すれば、世界経済全体への悪影響は必至であり、特に日本経済には大きな影響が出かねない。

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 TS指数を見ると、来週は円高を予想している関係者が多い。基本的にレンジ相場の中118円台がレンジの上値でそこから再び下落に入るという比較的消極的な理由で円高を予想している人が多く、市場が方向感を失っていることが読み取れる。将来的にはドル安円高リスクが高くなってきているものの、まだしばらくはレンジでの展開となるであろう。