2006年 8月19日の放送
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8月のFOMC声明への要旨をまとめると以上の5点に集約される。ここでのポイントは、住宅市場の落ち込みに懸念を示している点。もう1点は、金融政策の効果がでてくるのには、それなりの時間がかかるということ。これが、今後、インフレが沈静化されるであろうという見通しの根拠にもなっており、今回の利上げを休止する大きな要因となっている。
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ここに来て米国の景気減速懸念が高まりを見せている。米国景気の状況を判断するにあたって重要視されている住宅市場関係指標にかげりが見られるからだ。今週発表された7月の新築住宅着工の件数は、1795千戸と1800千戸を下回り、ピークであった今年1月から約2割減少し、ここ数年でも最低の水準にまで下がってきている。
FRBはFOMCの声明の中で、住宅市場の冷え込みに懸念を示しているが、新築住宅着工の減少は、その心配を更に加速させるものとなっている。
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一方、インフレの沈静化の動きも見られた。今週発表された7月のPPI(生産者物価指数)もCPI(消費者物価指数)のコアも予想を下回る結果となっており、前月と比べてみても、減少している。これを受けて、金利は今後も当面据え置かれるという観測が広がり、ドルが売り込まれる展開も見られた。
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しかしながら、インフレに関しては、まだ予断を許さない状況でもある。確かに、前月ベースで見るとインフレはやや沈静化しているようにも見えるが、水準的には決してFRBが看過できるようなレベルではない。例えば、7月のCPIコアの数字を見てみると、全年同月比では+2.7%とFRBが上限の目処としている+2.0%を大きく上回っており、かつ、ここ半年ほど毎月上昇してきている。
FOMCでは、これまでの利上げが今後インフレ抑制効果をもたらすと期待しているが、今のところその傾向は見てはとれない。今後、2〜3ヶ月その傾向が見られなければ、金利据え置きの根拠を失ってしまうため、再び利上げをせざるを得ない状況になってくる。
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その他、今週の注目される動きとしては、人民元レートの推移である。今週、1日の変動幅が拡大されるのではないかという観測が市場で流れたが、市場の反応は意外にも人民元安の方向であった。
中国側は、「変動幅の拡大は、人民元高にも人民元安にもなりうる」との立場をとり続けてきており、今回の動きはそうした中国側の意向を反映した動きであったのかもしれない。
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先週のTS指数は大きく円安に傾いていたが、実際には市場予測とは逆に、週初から週央にかけて円高の展開となった。そして、今週の調査では、一転して、円高予想が優勢になっている。市場関係者も直近の相場展開に大きく影響を受けるため、こうした傾向がでてくるものと推測されるが、それだけ市場に方向感がないということもいえる。
少なくとも今月中はレンジ相場が続くであろう。一方、株式市場は、原油価格の落ち着き、日米金利動向の落ち着き、4−6月の期の企業業績の好調などを受けて、16000円台を回復してきており、今後もしっかりした展開になっていくと予想している。