2006年 4月15日の放送


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 このところ米国の金利が上昇している。米国債の10年物は今週5%を越える水準まで上昇した。これは2002年の6月以来、実に約5年ぶりの水準である。その他日欧などでも長期金利は上昇傾向にあるが、今年に入っての上昇のペースは米金利が一番速く、他の国の金利上昇を牽引するような形になっている。こうした米金利の上昇によって、ドル相場も非常に安定した動きになっているということがいえるかもしれない。


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 こうした、グローバルでの金利上昇の1つの大きな要因として考えられるのが原油価格の高騰である。原油価格は今年に入って一時期60ドルを割り、落ち着くかに見えたが、3月の下旬より再び上昇し始め、再び70ドルに迫る水準にまで上昇してきている。こうした、原油価格の高騰を受けて各国でインフレ懸念が再燃し、長期金利の上昇を加速させる要因となっている。

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 原油価格の上昇を背景にしたインフレ懸念は、金価格も上昇させている。インフレになると貨幣価値が下がるため、実物資産である金が買われるという傾向があり、最近の金価格の上昇は、インフレを嫌気して金市場に投資資金が流入していることが原因であると考えられる。

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 こうした資源価格の高騰がインフレ懸念を強める大きな原因となっている背景には、新興国の急激な経済成長がある。BRICS各国のGDPの伸び率を見てみると、ブラジルを除いては非常に高い成長率を維持していることがわかる。中国、インドなども今後も経済拡大路線を促進していく計画で、これらの国では原材料への需要がさらに拡大していくであろう。資源の供給施設を建設するには数年の年月がかかることを考えると、供給不足は短期的には解消されない可能性が高く、今後も資源価格は高止まりするであろう。各国の金利はまだ上昇していく可能性が十分あると考えておいたほうがいいであろう。

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 市場関係者のセンチメントを指数化したTS指数を見ると、市場はやや円安予想に傾いている。その理由として、米国の金利が上昇傾向にあることを挙げる市場関係者が多い。円相場はここのところ116-119円のレンジに入りこんでいるが、来週から再来週にかけて120円の方向に抜けてくるという意見が多かった。ただし、現状相場を大きく動かすような材料はなく、4月下旬から日本の機関投資家はどの程度海外への投資をしていくかが、今後の相場の鍵になってきそうだ。