2006年 2月18日の放送

< 1 >

 2月15日に、バーナンキFRB新議長の初証言が行われた。今後の金融政策を占う重要な発言ということで、市場の注目を集めたが、その内容を見てみると、景気に対しては、依然強気との見通しを示す一方で、原油価格や設備稼働率の一段の上昇によるインフレの懸念を表明。その上で、今後1-2回は利上げを実施し、それ以降については、経済データを見ながら判断していくという、市場がほぼ予想していた通りの発言内容であった。


< 2 >

 アメリカの住宅市場が後退期に入り、景気が腰折れしていくという懸念が聞こえるが、今週発表になった1月の米住宅着工件数は、33年ぶりの高水準と、逆に非常に強い数字となっている。110年ぶりという暖冬で住宅の着工が1月に多かったこと、前月からの反動といった要因が考えられるため、割り引いて考える必要はあるものの、市場が懸念しているほど、住宅市場は弱くなってきてはいない、ということは言えるであろう。

< 3 >

 米国の金利引き上げ継続ムードにもかかわらず、米国の株式市場が堅調に推移している。ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、数ヶ月間10600-11000のレンジに入っていたが、壁であった11000をしっかりと超え、約5年ぶりの高値圏にまで上昇している。こうした動きの背景には、アメリカ経済に対する楽観的な見方があると考えられる。

< 4 >

 一方の日本であるが、こちらも経済はかなり堅調である。金曜日に発表された日本のGDP実質成長率は年率で5.5%と予想を上回る結果となった。今後の日本経済の見通しについては、依然底堅いものと考えられ、 ここのところの外国人投資家による一時的な利益確定の動きによって、株式市場はやや軟調なものの、いぜれまた上昇し始める時期がくると予想している。

< 5 >

 GSEC指数をみると、やや円安を予想する結果となっている。日米双方の金融政策のロードマップがある程度はっきりとしてきたため、材料難から金利差に目が行きやすい環境にあり、ドル高、円安を予想する関係者が多い。しかし、今後しばらくは目新しい材料も見当たらないため、為替相場はボックス圏での動きになると予想する。