2006年 1月7日の放送


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 2006年の金融市場を占うに当たり、注目しておきたいポイントは 1.アメリカ経済の動向と金融政策の行方、2.中国経済の動向 3.日本の金融政策 4.商品相場、特にエネルギー資源の動向 の4点が考えられる 

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 アメリカ経済は05年3%半ばの成長率を達成したと予想されている。そのうちの7割近くを強い個人消費が牽引している。昨年短期金利を継続的に上げてきたことが、今後個人消費にどう影響するかが注目されるところである。昨年は米株式が低迷している中、米国の個人消費は住宅価格の上昇が個人消費を支えてきたと言われている。既に住宅販売などは頭打ちの傾向を見せ始めており、今年これが大きく減速するか、注目されるところである。また、インフレの抑制と景気の維持という2つの問題を抱えながら、FRBは難しい舵取りを迫られることになる。

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 一方、ここ数年世界経済に大きな影響を与えている中国の景気動向も気になるところである。中国では、GDPの伸びの約半分が設備投資によるもので、専門家の中には過剰投資を懸念する声が広がってきている。中期的な経済拡大は否定できないものの、今年に限っては過剰投資から一時的に経済が減速する可能性を考えておく必要がある

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 また、過剰投資のつけとして、供給過多からのデフレも懸念材料のひとつである。中国では、1昨年の半ばをピークに消費者物価指数が下落傾向にあり、足元では、年率1%程度まで下がってきている。今年、国内での個人消費が伸びないと、場合によっては、物価上昇率がマイナスに突入する可能性の出てきている。

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 国内では、日銀の金融政策に注目が集まるであろう。日銀は今年春先に量的緩和の解除に踏み切ると見られている。しかし、問題は解除のスピードと解除後にゼロ金利からいつ脱却するかという点に注目が集まるであろう。こうしたスピードが遅れれば、長期金利も上がらなくなると予想され、円安傾向は今年も継続するであろう。逆に日銀が政治サイドからの圧力を撥ね退け、早めにゼロ金利政策を放棄するメッセージを出せば、円高への反転の時期が早まってくる。

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 昨年は原油価格などの資源価格が上昇したことにより、世界中にインフレ懸念が広がり、更に各国で金利が上昇していく可能性がある。一方で景気動向にはマイナスの要因となるため、価格の高止まりが長引くと、場合によっては米国などの主要国は高インフレ低成長に悩まされるようになるかもしれない

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 今年の大きなイベントであるが、1月末にグリーンスパンFRB議長が退任する。市場の信任が厚かったグリーンスパン議長の後任バーナンキ氏が、不安定になってきた米国経済をどうコントロールしていくか、非常に注目されることろである。また、4月には胡錦濤中国国家主席が訪米を予定しており、人民元に更なる切り上げ圧力がかかる可能性もある。9月には自民党の総裁選が控えており、これも波乱要因。そして、11月にはアメリカの中間選挙があるが、ブッシュ大統領の支持率が低下していると、支持率確保の為に中国、日本を標的にする可能性もあり、目が離せない

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 今年の為替相場は非常に読みにくい。ドルの行方は米国経済の底固さがいつまで続くかにかかっており、景気の腰折れが早まれば早い時期にドルが下落する展開が見られるかもしれない。もう1つの焦点は日本の金融政策の行方である。年前半は円安の流れが続く可能性もあるが、ゼロ金利政策の放棄を市場が感じ始めると、円全面高の展開が年後半に掛けて見られるかもしれない。